日本企業のインサイドセールスはどうあるべきか?:セミナーレポート(1/2 ページ)
2017年1月20日にアイティメディアとSCSKサービスウェアが共催したセミナー「デジタル+アナログで攻める 日本企業に最適なB2Bマーケティング手法とは」の内容をダイジェストで紹介する。
アイティメディアは2017年1月20日、SCSKサービスウェアと共同で「デジタル+アナログで攻める 日本企業に最適なB2Bマーケティング手法とは」と題したセミナーを開催した。
B2Bマーケティングにおいては昨今、マーケティングオートメーション(MA)など、デジタルテクノロジーの導入が進む。しかし、有望なリードを獲得するに当たり、しかし、Webの行動履歴やメールへの反応を頼りにスコアリングするだけでは限界もある。
また昨今、アプローチすべき企業(アカウント)をリストアップし、そのアカウントに対して施策を策定するアカウントベースドマーケティング(ABM)が注目されているが、どのような立場の人がどのような課題を抱えているのかの見極めがつかなければ何も始まらない。単にターゲットリストを集めただけではABMにならないのは言うまでもない。
ここで重要となるのが、インサイドセールスの存在である。今回のセミナーでは、SCSKサービスウェア 第二事業本部の熊谷 悠氏が「アナログだから刺さる!日本式インサイドセールス手法」と題して、日本型組織の特性に合ったインサイドセールスの手法を紹介した。本稿では、その概要をお届けする。
マーケティング部門と営業部門をつなぐインサイドセールス
誰もがWebを通じて必要なタイミングで必要な情報を入手できるようになった現在、B2Bにおける製品導入の主導権は完全にユーザー企業側に移ったと言っていいだろう。
企業の購買担当者はサービスや商品を比較検討し、ある程度意思が固まったところで売る側に連絡してくる。あくまでもユーザー企業の都合で連絡がくるようになったのだ。受注のチャンスを他社に奪われないためには、定期的な情報提供やニーズの把握が必須であり、顧客へ定期的なアプローチをするチャネルが必要だ。しかし、例えばDMやWeb広告、メールでのアプローチは、不特定多数にタイムリーな情報提供が可能だが、個々の顧客にどれだけリーチしているかは把握しづらい。もちろん、MAのような仕組みを取り入れることで興味関心の度合いを測ることは可能だが、渡せばすぐに案件化するような理想的なリードを見極めるには、デジタル一辺倒では、なかなか難しい。
熊谷氏は「マーケティング部門と営業部門がすれ違い、展示会での名刺獲得やマーケティングオートメーションツールの導入などで獲得したリードを活用できていない。そんな課題を持つ企業にこそ、インサイドセールスは有効だ」と語る。
そもそもマーケティング部門と営業部門がすれ違うのは、異なるKPIを追っているからに他ならない。例えばマーケティング部門ではリード獲得の件数などをKPIとするが、営業部門では受注件数や商談金額、受注率など受注にまつわる数字がKPIとなる。そこで「営業とマーケティングの異なるKPIをインサイドセールスがつなぐことが必要」(熊谷氏)となる。インサイドセールス部門において、コンタクト率やアポイント率、商談化率といった、プロセスごとのKPIを設定することで、マーケティング部門と営業部門の溝を埋めることになるのだ。
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