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パブリックリレーションズの「ズ」が重要:【連載】インターネット時代の企業PR 第29回(2/2 ページ)
生活者は企業からの情報を漠然と待っている存在ではありません。PRの「R」(relations)とは生活者と何らかの具体的な「間柄」を作ることであり、可算名詞であるゆえに、「ズ」が重要なのです。
「言う」ためではなく「伝える」ため
PRを含む企業のコミュニケーションでは、往々にしてメッセージ発信が一方向的になりがちです。
対象がそのメッセージをどういう状態で、どういう印象をもって受信するかをあまり深刻に考えず、メッセージの表現や分量の多さだけにこだわり、「これだけ一生懸命発信してるんだから伝わるはず」というような気持ちでメッセージを発信してしまいがちです。
確かに、メッセージの表現を研ぎ澄まし、伝えたい内容を多く盛り込み、言いたいことをあますところなく発信することは、あるケースにおいては重要なことですし、特に広告では欠かすことのできない考え方です。
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