ニュース
第2回 「マーケティング活動」の詳細解説――メッセージ開発とチャネルの検討:【連載】マーケティングオートメーション& SFA時代に問われる「稼ぐ力」
マーケティング部門の役割は、確度の高い見込み客(リード)と、見込み客に関する精度の高い付加情報を、営業部門に託すことである。この役割を担うにあたり、マーケティング部門の業務は「マーケティング活動」と「見込み客管理活動」に分けられる。今回、次回の2回に分け、各々の活動のミッションについて議論する。
マーケティング部門の役割
「第1回 稼ぐ力と競争優位性の関係――日本企業の弱点を見極めるの議論において、「営業は企業のアンカー的存在である」と述べた。営業がアンカーであるとすれば、前走者であるマーケティング部門の役割は、営業の手に確実にバトンを渡すこと、すなわち、確度の高い見込み客(リード)を渡すことに他ならない。さらに、バトンを受け取った営業が、軽快なペースでゴールまで走り切れるようなアドバイスも重要である。すなわち、商談を活性化させるための見込み客に関する精度の高い付加情報を渡すことである。この役割を担うにあたり、マーケティング部門の業務は大きく「マーケティング活動」と「見込み客(リード)管理活動」に分けられる(図1)。
本稿では、「マーケティング活動」において、潜在顧客へ自社の商品/サービスを認知させるために重要となる「マーケティングメッセージ」の開発と、メッセージを効果的に伝えるための「チャネル選択」をについて、マーケティングの諸理論を交えて議論を行う。なお、「見込み客管理活動」については、紙幅の都合により、次回、第3回の中で議論する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第1回 世界を見れば日本の現在位置が見えてくる
日本企業の弱点はまさにマーケティングである――。円が安く、国内に市場が溢れていた時代ならマーケティングは必要なかったかもしれない。しかし、時代は変わったのだ。シンフォニーマーケティングの庭山一郎氏が日本企業に向けて鳴らす警鐘。 - 第2回 設計図のないビル工事 〜パッチワークでは結果は出ない〜
10階用の基礎の上に30階建てのビルを建設するのは「無理」である。10階建てのビルのために30階用の基礎を作るのは「無駄」である。ビルの工事ならありえないことだが、日本のマーケティングではよく起きている現実である。 - 第3回 売れない原因を突き止める方程式
「売れない原因」を探すことからマーケティングの旅は始まります。営業スキルなのか? 価格なのか? 流通チャネルなのか? 今回は売れない原因を突き止める方程式を解説します。 - 第1回 衰退する企業と躍進する企業、違いは「事業定義の仕方」にある
「製品志向」で事業を定義する企業は時代の流れに取り残される。米国の鉄道会社のように――。日本アイ・ビー・エム 永井孝尚氏によるマーケティング原論の第1回。 - 第2回 「多機能/高品質なのに低収益」――間違いだらけの顧客中心主義から抜け出す
ターゲット顧客が必要としていなければ、あえてその要素は切り捨てること。そうしなければ、どの会社も同じような商品を作り、多機能/高品質、かつ低収益な商品を数多く生み出し続けることになる。 - 第3回 「価格競争」から「価値競争」へ
「勝者はトップシェア企業1社だけ」「価格に敏感な顧客だけが集まる」「よき顧客は去っていく」――。価格勝負の“泥仕合”がもたらすこれら3つの負の要因を理解すべし。