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なぜエジソンはシャワートイレを作れなかったのか?:文化創造型マーケティング
“発明王”トーマス・エジソンはなぜ、シャワートイレ(INAXの名称、TOTOはウォシュレット)を作れなかったのか? 19世紀の終わりから20世紀初頭のアメリカである。技術的には可能だったはず。この問いに対し、東海大学政治経済学部専任講師 三宅秀道氏はこんな回答を示す。「『問題の開発』に至らなかったからでしょう」。問題の開発?
ベストセラー「新しい市場のつくりかた」(東洋経済新報社)の著者である三宅氏は、文化創造というアプローチから(商品やサービスの)マーケティングを研究する。市場で支持される商品やサービスには、支持されるに値する価値が備わっている。そのような価値は当該商品やサービスに内在的に埋まっているわけではなく、誰かによって創造され、付加される。価値創造の契機として、三宅氏が指摘するのは2つの制約である。不都合、不具合と言い換えてもいい。すなわち、「文化的制約」と「技術的制約」だ。
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