ニュース
オンラインブランド広告の実際的な効果を測る指標――ますます問われるデータの質:「リーチ」「レゾナンス」「リアクション」
CTRはブランド広告の有効性を測定する指標として適切ではない――。Facebook アジア太平洋地域の測定・インサイト主任ダグ・フレーザー氏は言う。CTRに変わる指標として彼が推すのは「リーチ」「レゾナンス」「リアクション」であり、これら3つの指標を組み合わせたフレームワークだ。
インターネット広告におけるCTRは、ラジオの聴取率、テレビの視聴率の延長線上に存在するといえる測定指標だが、投資対効果という視点でこれらの指標の有効性を検証しようとすると常に大きな壁にぶち当たる。メディアを通じてある広告に接触した(あるいはバナーをクリックした)消費者が、訴求されている商品なりサービスを実際に購入したかどうかを明確にすることができないのだ。フレーザー氏は言う。ブランド広告を展開する企業にとって重要な関心はCTRではなく、
- [リーチ]誰に何回リーチしたのか?
- [(ブランド)レゾナンス]消費者のブランドに対する意識はどのように変化したのか?
- [リアクション]広告を見た消費者はどんな行動を起こしたのか?
の3つだ。この3つの指標を組み合わせた効果測定のフレームワークこそが、オンラインブランド広告の実際的な効果を測る上で有効に機能する。というのも、「CTRとROIの間には相関関係はない」(ニールセンの調査データを引用)し、「CTRと消費者の購買行動にも関係はない」(コムスコアのレポートを参照)からだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第2回 ソーシャルメディアの”感情”分析で「ブランティングの第3の波」を乗りきる
ソーシャルメディア上のデータを分析して、失業率増加のタイミングを予測する国連。企業は膨大な会話データをブランディングに活用する。いまやソーシャルメディアは分析対象の宝庫である。SAS Institute Japan マーケティング本部長 北川裕康氏が最新事例を交えてソーシャルメディア分析の最前線を紹介する。 - 第3回 Facebookキャンペーン、開始前の作業から効果測定まで
Facebookを使って初めてキャンペーンを実施する時に「するべきこと」や「考えた方がいいポイント」を解説していきます。今回は最終回です。キャンペーン開始の作業準備で触れていない部分から効果測定まで一気に解説します。 - 企業がディナーパーティーに呼んでもらうには――ad:tech tokyo 2012 オープニングキーノート:米Facebook 取締役 Mark D'Arcy氏
東京国際フォーラムで開催中のad:tech tokyo 2012。オープニングのキーノートセッションが行われたB7ホールは立ち見が出るほどの満員で、急遽、B棟5階に同時通訳付きのサテライト会場が設置された。4000人を超える参加者の興味を惹きつけたのは、米Facebook 取締役 Mark D'Arcy氏だった。 - 第1回 ビッグデータアナリティクスの全体像
情報技術とマーケティングの関係は今後ますます密接になっていく。では、ITの世界はいま、どうなっているのか? そして、今後どうなるのか? 伊藤忠テクノソリューションズの大元隆志氏が5つの技術トレンドと3つのパラダイムシフトを切り口に、マーケターにとっての「ITのいま」を読み解く。 - 第2回 世の中のあらゆる事象を数値化し、ビジネスに反映させる
世の中で起きているあらゆる事象を数値化し、ビジネスに反映させるにはどうすれば良いか? 情報処理速度数msというポテンシャルを活かせば何ができるのか? デジタル技術の革新により、今や、マーケターには常識を超える想像力が求められている。