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バランスが大事! ソーシャルメディアマーケティングに注力し過ぎると業績が落ちる?顧客チャネルは1つではない

ソーシャルメディアを使ったマーケティングは、Webマーケティング領域の一項目にすぎません。顧客との接点となるチャネルは、多く存在します。流行に惑わされず、商材、顧客の属性や費用対効果などから自社のマーケティングを冷静に考えてみましょう。

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 「ソーシャルメディアの活用」という言葉から何を思い浮かべますか? マーケティングの文脈から考えると(自社ブランドやサービスの)「拡散」「共感」などのキーワードを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、当然ながらソーシャルメディアを使うだけで、自動的に自社のブランドやサービスが「拡散」し、「共感」を得ることはありません。また、継続的にユーザーとの接点を持つことはできるものの、必ず「つながる」ことができるわけではありません。


企業とユーザーを結ぶチャネルはさまざま

「ソーシャル」の限界

 ソーシャルメディアの“非力”な側面を考慮していますか? 例えば、世間的に認知を得ていない企業にとっては、ソーシャルメディアよりSEOを強化して新規ユーザーを獲得した方が、ROIの観点から見れば効果的なケースが多いでしょう。また、BtoB企業が新商品の魅力を伝えたいとき、まずアプローチすべきは既存顧客ではないでしょうか。

 ソーシャルメディア上での情報発信はさまざまなユーザーへ「きっかけ」を与えることにはなる一方、高額商品についてはなかなか購買まで至らないのも事実。単純にソーシャルメディア上で情報を流すよりも、詳細な商品説明が読めるページの作成や、簡単に問い合わせフォームへ誘導できるページ設計などが大事になる場合もあります。

 顧客接点が多様化した今、ソーシャルメディアが1つのチャネルとして有効に機能することは疑いようがありません。膨大な数のユーザーが日々アクセスするソーシャルメディアという“舞台”は、多くの企業にとって魅力的です。しかし“観客”の数が多いからといって、その場でアクションすれば、多くの人が肯定的に捉えてくれるわけではありません。有名なユナイテッド航空のケースのように、悪い評判が拡散する可能性は拭い去れません。逆にドミノ・ピザのように失敗を成功に変えるチャンスも秘めています。そういったコミュニケーションの場としてソーシャルメディアを捉えることが大事であり、「とにかくソーシャル! 」という考え方ではうまくいきません。

大きな絵を描き、必要なピースを当てはめる

 マーケティング戦略全体の中で、Webマーケティングがどのような役割を担うか定義し、何を目標に「特設サイト」や「ソーシャルメディア」を運営するか。チャネルにはそれぞれ特性があり、またターゲットとなるユーザーが滞在する時間や数が違います。違いを意識しなければ、ツールやプラットフォームを評価することはできません。例えばFacebookのファンと、CRM上に蓄積された顧客情報。果たして、どちらが大事なのでしょうか。多くの企業にとっては後者であろうと思います。それならばトレンドである「ソーシャル」という言葉に引きずられることなく、持っている武器を有効活用することの方が優先順位は高いはずです。

 ソーシャルメディア、TV CM、雑誌広告、店舗向けディスプレイ……どのチャネルに何をするのか。(ターゲットの)顧客層を考え、費用対効果を最大化するために、多くの要素を勘案して決断しなければならない問題です。言い換えれば、メディア選別の判断材料を用意しなければ、メディア増に併せてチャネルが増えてゆく現代では、戦略を練ることもできません。次々にメディアが生まれてゆく現状を考えると、(ユーザーにリーチする)選択肢を増やす努力を、マーケターは常に求められることになりそうです。

※この記事はSocialMedia360.jpの「ソーシャルメディア活用は「手段」であり「目的」ではない」の原稿を一部修正して転載しています。



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