なぜ発売初日で分かるの? ヒット商品を見分けることができる理由:仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(1)(4/5 ページ)
「ローソンでは発売初日の数字を見ただけで、その商品がヒットするかどうかが分かるらしいよ」――。ある人から聞いた話だが、本当にそんなことができるのだろうか。膨大なデータを分析する担当者に、話を聞いてきた。
分析データ、1週間後では遅い
倉持:コンビニはフランチャイズビジネスなので、こうしたデータをもとに、お店に「どんどん仕入れてくださいね」とアナウンスしなければいけません。仕入れを増やしていただければ、その結果、棚にラザーニャ ボロネーゼが並ぶ数が増え売れていく。従来のPOSデータであれば「何個売れた?」といった程度のことしか分からなかったのですが、どんな人がどの時間帯に、何を買ったのか。同時に何を買ったのか。そしてその商品を繰り返し買ったのか。といったことが分かるようになり、そのデータをもとに、早期に手を打つことができるようになりました。
土肥:なるほど。ラザーニャ ボロネーゼは歴代パスタの中で、最速の記録で100万食を超えたわけですが、その背景には「このパスタは売れるぞー」といったアナウンスを早くされたわけですね。
倉持:はい。その情報は1週間後では遅いんですよ。新商品は火曜日に発売することが多いので、翌日の水曜日にはレポートを出しています。何らかの理由で遅れたとしても、2日後には出すようにしていますね。
土肥:なぜ1週間経つと遅いのですか? PB商品なので、競合他社が同じような商品をすぐに発売することはできません。
倉持:「この商品はヒットする」「いやヒットしない」――この判断を早くしなければ、商品の“旬”を逃してしまうかもしれません。コンビニでは次々に新商品が発売されるので、商品の“旬”を逃してはいけないんです。
火曜日に新商品を発売して、水曜日にデータを確認する。そしてスーパーバイザーからお店のオーナーさんへの連絡は、木曜日または金曜日に行います(一部では土曜日もあり)。そして商品が1個でも2個でも上積みされて品切れがないようにすれば、お客さまの不満も解消されるのではないでしょうか。
土肥:火曜日と水曜日はお休みできないですね(笑)。
倉持:絶対に休めません(笑)。
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