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第1回 世界を見れば日本の現在位置が見えてくる:【連載】日本の未来を切り拓くBtoBマーケティング(2/2 ページ)
日本企業の弱点はまさにマーケティングである――。円が安く、国内に市場が溢れていた時代ならマーケティングは必要なかったかもしれない。しかし、時代は変わったのだ。シンフォニーマーケティングの庭山一郎氏が日本企業に向けて鳴らす警鐘。
かつて、日本企業にはマーケティングは必要なかった
結論から言えば数年前までは「必要なかった」からです。マーケティングとは平たく言えば 「買っていただく仕組み作り」「選んでいただける条件の整備」です。選んでいただくには顧客側に「選択肢がある」ことが前提です。選択肢は供給が需要を超えてはじめて現出します。第二次世界大戦を敗戦で終え、焼け野原になった日本は社会インフラが破壊されていますから、供給が需要に追いつかない時代が続きました。そして高度経済成長期に移行しても、その経済を牽引していたのは公共投資であり、復興期に公共事業を受注するには政治力は必要でもマーケティングは必要ありませんでした。つまり、猛烈な勢いで拡大する国内市場で戦う時にマーケティングはほとんど必要なかったのです。
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