Salesforce Pardot、「日本語化」だけではない重要な強化ポイントとは?:「Einstein ABM」を搭載(1/2 ページ)
本稿では「Salesforce World Tour Tokyo 2017」におけるセッション「生まれ変わったPardotとAI×ABMでB2Bマーケティングに変革を Salesforce for B2B Marketing」の内容を紹介する。
セールスフォース・ドットコムは、B2B向けマーケティングオートメーション「Salesforce Pardot(以下、Pardot)」の日本語版を2017年第4四半期(2017年11月〜2018年1月)に正式提供すると発表した。
既に国内でもさまざまなB2B企業が導入しているPardotがまだ日本語化していなかったことに新鮮な驚きを覚える人もいるかもしれないが、2017年10月現在のこのタイミングにおけるリリースは、日本におけるPardotの普及をさらに加速させるかもしれない。「Salesforce World Tour Tokyo 2017」におけるセッション「生まれ変わったPardotとAI×ABMでB2Bマーケティングに変革を Salesforce for B2B Marketing」から、Pardotの魅力をあらためて探る。
今どきなぜ「日本語化」がニュースになるのか
「日本は全世界におけるPardotの導入が最も急速に進んでいる市場。今回の来日で、B2Bマーケティングの盛り上がりを実感した。強力なエコシステムが形作られようとしている」。米Salesforce.com シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのマイケル・コストー氏はそう口火を切った。
セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型SFA(営業支援)/CRM(顧客管理)プラットフォームである「Sales Cloud」は規模の大小を問わず多くの日本企業で使われている。そのSales Cloudと一体化し、B2Bに特化したマーケティングオートメーション(MA)ツールとして提供されるPardotは、MAを検討する企業にとって第1の選択肢に挙がることが多い。
しかし、これまで日本語に対応していなかったため、姓名が逆に表示されたり、ダッシュボードのラベルが分かりにくかったりといったように、細部において使いにくさが残るところは否めなかった。多くの人が使うツールであるということは、触れる人のリテラシーが千差万別ということでもある。これが日本語化されたことで、英語をあまり得意としない人にとっても多くのストレスが軽減される。例えばメールを送信した後、開封したくれた人、クリックした人はそれぞれどれくらいいるかといったことが見やすくなるだけでも、日本全体で見れば運用における生産性がはるかに向上するだろう。
Pardotはもともと優れたユーザーインタフェース(UI)を備えたツールであり、日本語化は最後のボトルネックといえるものだった。実際、使いやすさにおいてはユーザー企業の声がそれを証明している。
Pardot日本語化のパイロットユーザーに応募した1社で携帯電話の卸売・販売と携帯電話を利用したサービスの提供を手掛けるコネクシオでは2007年から法人部門でSales Cloudを使っており、2015年にはPardotも導入している。コネクシオ 法人営業戦略部 マーケティング開発課 菅谷沙由里氏はPardotの長所について「難しい知識がいらないこと、限られたリソースでも対応できること、Sales Cloudとの相性がいいこと」の3つを挙げる。同社のマーケティング担当は菅谷氏を含めて2人。それでも毎日の業務でリード(見込み客)1万社に対応できているという。「Pardotで最初にシナリオの設計をすれば、ホットリードを教えてくれるので、アプローチに専念できる。Pardotがなかったら忙しさでパンクしている」と菅谷氏。
Pardotが用意するエディターを使えば、誰でもメールのテンプレートやランディングページが簡単作れる。HTMLの知識のない一般社員でもひとまず使いこなせる。ここで言葉の壁がなくなればさらに導入のハードルは下がるだろう。
菅谷氏も実は英語が苦手で、Pardotを導入した当初は「Google翻訳」に文字をコピーして業務に使っていたこともあったという。しかし、日本語版を使ってみたところ、英語版のUIに慣れるまでに時間がかかったのが嘘のように、素早くアプローチしたいリードの状況を理解できるようになったそうだ。
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