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その訪問、本当に必要ですか? SFAとCRMの間にある落とし穴を回避するには【連載】営業の生産性を向上させる「インサイドセールス」活用術 第1回(1/2 ページ)

営業の生産性を向上させる手法といわれる「インサイドセールス」。本連載ではインサイドセールスの効果や導入までのプロセス、効果的な活用方法などをお届けします。

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 法人営業においてもSFAやCRMといったツールは、一般的になってきたと思われます。使いこなせているかはともかく、導入企業数も多くなってきているようです。しかし、「もっと営業を飛躍的に効率化したい」「もっと営業成績を伸ばしたい」と考えている方には、SFAとCRMだけでは何かが足りないと感じているのではないでしょうか。こうした問題意識を抱えた企業に、昨今注目を集めているのが「インサイドセールス」です。

SFAとCRMの間にあるギャップ

 さて、本題に入る前に1つ復習をしておきたいと思います。SFAとCRMの違いとは何でしょうか。

 言葉通りの説明をすれば、SFAとは「Sales Force Automation」の略であり、「営業支援システム」と訳されます。一方、CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、「顧客関係管理」ということになります。乱暴な整理をすれば、SFAでは案件管理をメインに、見積書作成、請求書発行、日報管理などを行い、CRMでは、案件の有無にかかわらず、顧客対応履歴管理をメインに、引き上げ(案件につながるよう顧客の興味関心を高めること)を目的としたメール配信やフォローコール、セミナーなどに関連したフォーム作成などを行うことになります。

 「何を当然のことを説明しているのだ」と思われた方もいると思いますが、実は、この2つのツールを使うだけでは、予期しない別の問題が起きてしまう場合があるのです。CRMツール側で引き上がった顧客情報を単にSFAツール側に引き渡すだけでは、購入意向があるのかどうかの判断ができていない顧客情報だけが増えてしまうのです。

案件が多すぎて全てに対応できない、どうする?

 同じ話を営業現場から見てみましょう。CRMやSFAといった営業支援ツールを使用すると、顧客情報は一元管理され、全ての営業活動が簡単に可視化でき、社内の情報共有は進みます。しかし、やみくもにこうしたツールを使ってしまうと、営業担当に割り当てられる顧客数だけが単純に増えてしまいます。その結果、営業担当が対応できなくなってしまうのです。また、対応する顧客が多過ぎると、そのつもりはなくても一つ一つに雑な対応をしてしまうという弊害も生まれがちです。では、こうした問題を解決し、限られた営業スタッフで、増えていく顧客や営業案件に対応していくには、どうしたら良いのでしょうか?

 そこで登場するのが、インサイドセールスです。インサイドセールスとは一言で言うと「訪問しない営業」です。インサイドセールスを導入することで、営業担当に負担をかけずに、問題解決している例が、実はたくさんあります。

 インサイドセールスは、電話やWeb会議システムを利用して顧客とコミュニケーションをする点で、従来のテレマーケティングと同じですが、テレマーケティングとの違いは以下のように説明できます。

 テレマーケティングでは、とにかくたくさんの電話をかけ、トークスクリプトに沿って商品やサービスの情報を提供します。最終的なゴールはアポイントを取得することです。

 これに対し、インサイドセールスでは、トークスクリプトを活用する場合もありますが、多くの場合、顧客の要望に応じて多様な会話をすることが求められます。会話の目的もアポイント取得ではなく、具体的なサービスの説明を聞いてもらい、興味を持って検討に入ってもらう「案件化」にあります。

 インサイドセールスでは、テレマーケティングのように営業プロセスの初期段階だけでなく、従来は営業担当が訪問時に行っていた案件化にまで踏み込んで活動をしているのです。もちろん、販売する商品やサービスによっては、案件化よりもさらに踏み込み、クロージングまでインサイドセールスで対応しているケースもあります。

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