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広告運用担当者が押さえるべき「数字の考え方」 3つのポイントとは(1/3 ページ)

ROAS、CPA、CPOばかり重視してしまう広告運用担当者の方はいませんか? ROAS、CPA、CPOはいずれも、広告の費用対効果を測る上で非常に重要な指標です。ただし、日々の実務において、これらの数字“だけ”を見ていると、次第に判断に迷う場面が増えていきます。

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筆者プロフィール:川部篤史

製品企画をキャリアの起点に、大塚製薬、千趣会、JIMOSなどで約30年にわたり、EC/通販事業の立ち上げ、事業構築、製品マーケティング戦略全般に従事。

広告・CRM・商品設計・事業P/Lを横断的に捉えた、「事業として成立させるためのダイレクトマーケティング設計」を専門とする。

現在は、D2C・通販事業における事業立ち上げや、新規獲得からリピート・ロイヤル化までを見据えた戦略設計支援を行うほか、生成AI・オートメーションを活用したマーケティング実装、業務設計支援にも取り組む。

実務に根ざした再現性のある知見を強みとし、執筆・講演・企業支援を行っている。


 広告運用の現場では今も、「ROAS(Return On Advertising Spend:広告の費用対効果)をどう改善するか」「CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)やCPO(Cost Per Order:注文獲得単価)をいかに抑えるか」といった議論が中心に置かれがちです。

 ROAS、CPA、CPOはいずれも、広告の費用対効果を測る上で非常に重要な指標です。広告投資が事業として成立しているかどうかを判断するために、欠かせない数字であることは間違いありません。

 ただし、日々の実務において、これらの数字“だけ”を見ていると、次第に判断に迷う場面が増えていきます。なぜなのでしょうか。

関連記事:「代理店・AI任せ」のマーケターが陥る“勘違い” 広告設計における「順序」の重要性とは

広告運用担当者が押さえるべき「数字の考え方」

 ROASやCPA、CPOは、以下の指標を振り返る際には、非常に優秀です。

  • その広告が最終的にどれくらいの成果を生んだのか
  • 投資として回収できているのか

 また、これらの数字を見れば、「日予算を上げるか、下げるか」といった、日常的な運用の大まかな判断をすることもできます。

 しかし、ここに共通する限界があります。

 ROASやCPA、CPOは、「何かを変えなければいけない」という“結果”は教えてくれますが、「何を」「どう変えていくべきか」を判断するための情報ではありません

 例えば、

  • 訴求がズレているのか
  • クリエイティブが弱いのか
  • まだ学習途中で触るべきではないのか

──これらの疑問を見極めるには、費用対効果の数字だけでは情報が足りません。ROASやCPA、CPOの手前にある数字を見る必要があります。

ポイント(1)行動系KPIと財務系KPIを分けて考える

 ここで一度、数字の役割を整理しましょう。広告運用で使われる指標を、大きく次の2種類に分けて考えると理解しやすくなります。

財務系KPI

  • ROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)

→広告1円当たりがどれだけの売り上げ(Return)を生んだか

  • CPA/CPO(Cost Per Acquisition/Cost Per Order:顧客獲得単価、注文獲得単価)

→コンバージョン(顧客行動)1件当たりにかかったコスト

  • CPC(Cost Per Click:クリック単価)

→広告を1クリックされるごとにかかった広告単価

 これらは、「事業として成立しているかどうか」を判断する数字です。施策ごと、あるいは日次・週次・月次・四半期ごと・年次など、一定期間で振り返り、投資判断や全体最適を見るために使います。

行動系KPI

  • CTR(Click-Through Rate:クリック率)

→広告表示に対してどれだけクリックされたか。広告の訴求力そのもの

  • CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)

→広告からサイトやページに訪れたユーザーのうち、購入などの最終的な成果(コンバージョン)に至った割合

 これらは、「広告が今、どういう状態にあるのか」を把握するための数字です。

 日々の運用で、

  • コンテンツを修正するべきか
  • 触らない方がいいか
  • 費用配分をどう変えるか

──を判断するために使います。

 重要なのは、行動系KPIを見ずに、財務系KPIだけで運用判断をしないということです。


(写真はイメージ、ゲッティイメージズ)

 CPCは行動系指標として捉えられることもあります。

 しかし、CPCは広告主が一方的に決められるコストではありません。広告プラットフォーム側が「その広告を表示させる価値」を、市場原理の中で価格に落とし込んでいるものです。

 検索ボリュームや表示機会の多さ、ユーザーのニーズと広告内容が合致し、有用な情報だと評価されるほど、CPCは下がりやすくなります。

 逆に、実態とズレた訴求や無理な表示が続くと、クリックされにくくなり、CPCは上昇していきます。

 そのため私は、CPCをプラットフォーム視点での「広告価値評価が反映された財務指標」として位置付けています。

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