Webサイトで結果を出すための「PDCAサイクル」実践方法(前編):小川卓の「学び直しWebサイト改善」(2/3 ページ)
Webサイト改善ではPDCAサイクルを回していくことが欠かせません。PDCAサイクルの重要性やうまくいかない原因やその解決策を紹介していきます。
なぜPDCAサイクルが止まってしまうのか
多くの組織でPDCAサイクルが機能しなくなるケースでは、各フェーズで課題が発生し、それを解決できないが故に止まってしまいます。
Plan→Do|主な課題と解決策
【主な課題】
- Actionable(実行可能)なKPIを設定していない
- 実行プロセスを分かっていない
- 効果が予測できないため判断できない
【解決策】
(1)フレームワーク(SMART)の活用
実行可能なKPIを設定するには「SMART」の考え方が役に立ちます。KPIの設定時に下記を改めて確認しておきましょう。
- Specific(具体的):目標が曖昧ではないか
- Measurable(測定可能):安定した数値で計測が可能か
- Actionable(実行可能):施策が思いつき実行できるのか ※最重要
- Realistic(現実的):現実的な目標数値になるのか
- Timebound(期限設定):期限やスケジュールが設定できるか
(2)運用フローの確立
誰が・いつ・何をするのかを明確にします。PDCAサイクルのステップと運用フロー図を作成しましょう。「施策が思いつかない」「実行までたどり着けない」という課題を解決できます。
(3)期待効果は事前に算出
施策を実行する前に、期待効果を算出しておきます。最低改善ライン(例:プラス10%)を決めておくことで、判断基準が明確になり、迅速に意思決定できるようになります。
(4)施策が行いやすい環境を整える
施策を決めても実行できなければ意味がありません。施策を行いやすくするためにA/BテストやEFOなどのツール導入や実行するためのリソース(制作・デザインができる方)を確保しておきましょう。
Do→Check|主な課題と解決策
【主な課題】
- 確認の仕方が分からない
- 確認すべき情報がまとまっていない
- 確認を忘れてしまう
【解決策】
(1)レポートの(半)自動化
GA4やLooker Studioなどのツールを活用し、データ取得・運用の手間を極力減らします。自動化されたダッシュボードにより、常に最新の数値を確認できる環境を整えます。
(2)施策ごとの管理表
現在進めている施策がどのKPIに影響するかを記載した管理表を作成します。これにより、施策と成果の関連性を常に把握できます。
(3)数値と施策をまとめたカレンダーの活用
各種数値と施策が記載されているレポートを作成します。数値と施策の関係性を明確にすることで、変化の有り無しや原因を特定しやすくなります。
(4)速報通知による確認の習慣化
Slackなどのコミュニケーションツールを活用し、数値の変化を自動通知します。これにより、チーム全体で数値への意識を高め、確認の習慣化を促進できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Webサイトを改善するなら「比較せよ」 そのワケは?
Webサイト改善を進めるときに重要となる「比較する力」について解説します。「それ効果あるの?」と言わせない! 三田製麺マーケターの“社内を納得させる”施策効果の可視化術
「SNSのフォロワー数は増えているのに、売り上げへの貢献が見えない」「オンライン施策と店舗集客の関係性が分からない」――。多くの広報・マーケティング担当者が、一度は直撃したことがある課題だろう。そんな中、つけ麺チェーン「三田製麺所」を運営するエムピーキッチンホールディングスは、SNSやWebを活用した認知拡大から、コアファンの育成、そして売り上げ貢献までを可視化する独自のロジックを確立した。どんなWebサイトでも「必ず最初に分析すべき」5つの項目
どのようなWebサイトの分析でも基本は同じ。最初に行うべき5つの項目について解説します。使いにくいWebサイト、原因は? 必ず確認すべき10項目とは
今回は、Webサイトの課題の見つけ方と仮説の洗い出しからどのような分析を行うのかを解説していきます。DeNAを支える第2の柱「Pococha」 急成長の背景にある、徹底したユーザー理解
DeNAが提供するライブコミュニケーションアプリ「Pococha」が、同社の収益の柱になりそうだ。急成長の背景には、同サービスが長年ユーザー視点に立ったアプリ運営を強化してきたことがある。Pocochaはこれまでに、どのようなユーザー体験のアップデートを重ねてきたのだろうか。「ぶっちゃけ面倒くさい」 コンテンツマーケの“難題”を、生成AIで解決する超時短術とは?
昨今の生成AIブームで、コンテンツマーケティングの在り方が大きく変わっている。AIの力でコンテンツの制作工数が飛躍的に改善し、企業が発信可能となるコンテンツ量は間違いなく増えていくと予想される。この記事では、生成AIを味方にしながら自社のコンテンツ力を高め、営業売り上げの貢献につなげるヒントを解説する。