Webサイトの「A/Bテスト」で結果を判断しやすくする、4つのルール:小川卓の「学び直しWebサイト改善」(1/2 ページ)
今回はA/Bテストの結果を判断しやすくする方法を解説します。
執筆者紹介 小川卓(おがわ・たく)
UNCOVER TRUTH CAO(Chief Analytics Officer)
前回は、A/Bテストのやるべきシーンや心構えについてお伝えしました。今回はA/Bテストの結果を判断しやすくする方法を解説します。
直接指標と成果指標を使う
A/Bテストの評価には、2つの指標を使います。【直接指標】と【成果指標】です。
例えば、A/Bテストでお問い合わせボタンの文言を変えた場合、ボタンのCTR(クリック率)の改善を期待しますよね。LP(ランディングページ)で内容の順番を入れ替えた場合は、ページのスクロール率の改善を期待します。
このように、A/Bテストした部分の変化を追える指標、これを直接指標と呼びます。
成果指標は、シンプルにA/Bテストによってお問い合わせや購入などに変化があったかどうかです。つまり、CV(コンバージョン)やCVR(コンバージョン率)を指します。
【直接指標】の例
成果指標だけでは判断しづらい場合などに、直接指標を利用するケースが多いので、テスト内容に合わせて直接指標を1つ以上決めるようにしましょう。
<滞在時間>
内容:Webサイト(Webページ)の平均滞在時間
対象:読み物などのコンテンツページ
<読了率>
内容:Webページで特定の箇所までスクロールした割合
対象:読み物などのコンテンツページやLP
<直帰率(あるいはエンゲージメント率)>
内容:流入したWebページですぐにもしくは、何もせずにWebサイト外に出た割合
対象:ランディングページ(流入したページ)
<離脱率>
内容:該当のWebページで離脱した割合
対象:Webサイトの主要導線に関わるWebページ
<遷移率>
内容:特定のWebページから違う特定のWebページへ移動した割合
対象:Webサイトの主要導線に関わるWebページ
<利用率>
内容:該当の機能が利用された割合 ※機能によって単位をセッションやユーザーで変える
対象:新たな機能を追加した場合(絞り込み機能やお気に入り機能など)
商品詳細ページからカートへの遷移率が上がっても、その先のカートから決済への遷移率が下がってしまい、CVに大きな変化がない。直接指標が改善しているのに、成果指標が下がるケースもあります。
改善施策を試すためにA/Bテストを行いますが、結果の上がり下がりだけではなく、仮説や課題が合っていたのかを確認する、新たな気付きを得るためにも、直接と成果両方の指標を見る必要があります。
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