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「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。

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 「サイトの評判の不正使用とはどういうことか」「ペナルティーを受けたらどうしたらいいのか」――。今回は、サイトの評判の不正使用について、概要や具体例をわかりやすく解説します。

サイトの評判の不正使用とは何か?


(画像提供:SEOタイムズ)

 「サイトの評判の不正使用」について、聞いたことあるでしょうか。これは、ドメインパワーがある有名なWebサイトや企業サイトなどのサブディレクトリやサブドメインを使ってページを公開することです。日本では「サブディレクトリ貸し」や「サブドメイン貸し」、海外では「パラサイトSEO」と呼ばれている手法です。

 検索ランキングを操作する目的で、ドメインの運営者(ファーストパーティー)から別の運営者(サードパーティー)がサブディレクトリを借りてコンテンツを作成するケースがこれに該当します。

 こういった手法は、以前はスパム行為としてカウントされていませんでした。しかし、Googleが危機感を持ち、2024年3月のポリシー改定以降、スパムに該当するようになりました。直近では2024年11月にサイトの評判の不正使用に関するポリシーの更新(外部リンク)が行われています。Googleの見解は、以下の通りです。

サイトの評判の不正使用とは、あるホストサイトのランキング シグナルを利用して検索ランキングを不正に操作するために、そのサイトにサードパーティのページを公開する行為を指します。

 簡単に言うと、ドメインの運営者が全く関与していない状態で、ランキングを上げる目的でドメイン内に第三者が運営するページを公開することが、サイトの評判の不正使用に該当します。このようなページには、スポンサー付きのページ、広告ページ、パートナーページなどがあり、通常メインサイトの目的とは無関係です。

サイトの評判の不正使用に該当しない3つの例

 サイトの評判の不正使用は、Googleのスパムポリシーで禁止されている悪質なSEO手法です。しかし、ディレクトリサイト全般がNGというわけではなく、「監修・管理が徹底されている」「元ドメインとの関連性が高い」「正当なビジネス目的」などの場合は、スパムに該当しません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

監修・管理が徹底されている

 サードパーティーコンテンツの場合でも、ファーストパーティーによる監修・管理があれば、不正使用とはみなされません。例えば、大手メディアが外部の専門家に記事執筆を依頼し、その記事を自社サイトのサブディレクトリに掲載するようなケースが該当します。この場合、掲載前に編集部によるチェックも行われるため、コンテンツの品質が担保されていると言えます。

 このようなケースはユーザーに誤解を与えず、ドメインの評判が不当に利用されているとは言えません。ドメインの所有者が主体となってコンテンツを管理し、ユーザーに良質な情報を提供している場合は、正当なサイト運営とみなされるのです。

Webサイトのテーマや目的が合致している

 ドメインの所有者が内容をしっかりと監修していてWebサイトの内容に合ったコンテンツであれば不正使用には該当しません。例えば、美容クリニックのWebサイトが、自サイトのサブディレクトリで美容に関するコラムサイトを運営する場合などが該当します。

 ユーザーがそのドメインに期待する情報と、実際に提供されている情報が一致しているかどうかが重要なポイントです。監修者がいたとしても、サードパーティーコンテンツの内容が元ドメインとの関連性が低いと判断されれば、ペナルティーを受ける可能性が高いと言えます。

正当なビジネス目的がある

 検索ランキングの操ではない正当なビジネス目的があり、Webサイトが作りこまれている場合も、スパム行為には該当しません。例えば、大手メーカーが新製品PRのために特設サイトを自社ドメインのサブディレクトリに作成するケースが挙げられます。

 この場合の目的は新製品の認知度向上や販売促進であり、検索ランキングの操作ではありません。企業のブランディングや情報発信などビジネス上の正当な目的があり、コンテンツも自社の事業内容や理念に基づいた質の高いものであれば、不正使用には当たらないのです。

 これらの内容をまとめると「サードパーティーコンテンツであっても、ドメインの運営者が監修を行い、テーマや目的が一致するランキング操作を目的としないページ」であれば、スパムには該当しないということになります。

サイトの評判の不正使用によるリスク

 サブドメインやサブディレクトリの使用を許した場合、ファーストパーティー側にも以下のようなリスクがあります。

  • ペナルティーを受ける可能性がある
  • トラブルが起きたりブランドイメージが低下したりする可能性がある

 それぞれ詳しく見ていきましょう。

ペナルティーを受ける可能性がある

 ドメインを貸した場合、自社のWebサイトがGoogleからペナルティーを受ける可能性があります。これは、不正使用されたコンテンツが、Googleのスパムポリシーに違反していると判断されるためです。

 自社サイトの検索順位が大幅に下落したり、最悪の場合インデックスから削除されたりする可能性があります。

トラブルが起きたりブランドイメージが低下したりする可能性がある

 法的トラブルに発展したり、ブランドイメージの低下を招いたりする危険性もあります。例えば、貸し出したサブディレクトリで、著作権を侵害するコンテンツや違法な商品・サービスを販売するコンテンツが公開された場合、自社が法的トラブルに巻き込まれてしまう可能性があるのです。

 また、自社サイトと関連性の低いコンテンツや、質の低いコンテンツが大量に公開されることで、ユーザーからの信頼を失い、ブランドイメージが低下するリスクもあります。

スパム判定を受けた場合の対策方法

 サイトの評判の不正使用は、Googleのペナルティーの対象となります。基本的にはドメイン全体ではなく、サブディレクトリなどポリシー違反を行ったページに対してペナルティーが与えられます。

 スパムとみなされてペナルティーを受けてしまうと順位が下がってしまう可能性もあるため、ペナルティーの通知を確認したら早急に対応しましょう。ちなみに、ペナルティーを受けているかどうかはGoogleサーチコンソールから確認できます。

 サイトの評判の不正使用でペナルティーを受けてしまった場合、できる対策の一つに再審査リクエストが挙げられます。Googleのガイドラインに抵触しないよう内容を改善し、再審査リクエストを送ることでペナルティーを解除できる可能性があります。

 その他、新規ドメインを取得してサードパーティーコンテンツの内容を移動させる方法もおすすめです。この方法であれば自身が運営するドメインになるため、サイトの評判の不正使用に該当しません。


 サイトの評判の不正使用でペナルティーを受けた場合、どのような対策を取ったとしても、安定した上位表示を目指すには時間がかかります。そのため、最初からスパム行為に該当するような手法は避け、時間がかかるとしても正攻法でWebサイトを運営することが大切です。常にユーザーファーストの視点を持ち、質の高いコンテンツ作成を心がけましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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