Webサイトリニューアル時のSEOチェックポイント 順位を落とさないために必須の12の対応を解説:SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説
何らかの目的があって進めるリニューアルではあるものの、検索順位がその代償になってしまう事態は避けたいもの。今回はWebサイトリニューアルとSEOの関係についてわかりやすく解説します。
Webサイトをリニューアル際に心配なのが、SEOへの悪影響。WebサイトリニューアルとSEOにはどのような関係性があるのか、リニューアル時には何に注意したらいいのか、いつ実施するのがいいのか……。
この記事ではWebサイトリニューアルの必要性について理解し、SEOに悪影響が出ないようにするためのポイントをお伝えします。
WebサイトリニューアルでSEO評価は上がる?
Webサイトリニューアルは、古いWebサイトを新しくしたり、思うように成果につながらないWebサイトを一新したりと、さまざまな目的で行われます。Webサイトのデザインや構造を変更することになるため、SEOにも影響が出てくる可能性があり、注意が必要です。
「Search Engine Joournal」(外部リンク/英語)によると、Googleのジョン・ミューラー氏(シニアサーチアナリスト/サーチリレーションズチーム リード)は、Webサイトのリニューアルそのものがランキングに影響するわけではないという趣旨の発言をしています。
検索エンジンはWebサイトのコンテンツの質、UX、技術的な要素など、さまざまなポイントを複合的に見てSEO評価を行っています。問題は、リニューアルによってこれらの要素がどう変わるかです。改善されればSEO評価が向上する可能性は高まりますが、反対にこれらの要素が損なわれてしまえば、評価が下がってしまうこともあります。
WebサイトリニューアルでSEO評価が上がる場合、以下のような要因が考えられます。
- 低品質なコンテンツを削除してWebサイト全体の評価が向上した
- デザインを変更したことでユーザーの使い勝手がよくなった
- ページの読み込み速度が速くなった
一般的には、リニューアル後は順位が下がることが多いようです。その後徐々に順位が上がってくる場合は、上記の要因で評価されていると考えられます。
評価が下がったまま浮上しないとしたら、原因として、以下のようなことが考えられます。
- クロールがスムーズに行われなくなり、インデックスされるページが減った
- 重要なコンテンツを削除してしまったことでページ全体のSEO評価も下がってしまった
- 画像の追加などでWebサイトの表示速度が遅くなった
Webサイトリニューアルでは主にデザインや構造の変更を行いますが、それと同時に既存コンテンツの整理を行うことも多いはずです。その際に間違った対応を行ってしまうと、SEOに悪影響が出る可能性があります。
せっかくのリニューアルが無駄にならないよう、事前にしっかりと計画を立て、SEOを意識したWebサイト作りを行うようにしましょう。
気を付けたい12のチェックポイント
では、実際にWebサイトリニューアルを行う際、どのような点に注意したらいいのでしょうか。ここでは、気を付けるべき12のチェックポイントを紹介します。
- コンテンツを減らしすぎない
- 内部リンクを大量に減らさない
- XMLサイトマップを設定する
- meta要素を適切に設定する
- ページの表示速度を落とさない
- レスポンシブデザインを採用する
- クローラーやインデックスを拒否しない
- noindexを外す
- 404エラーを適切に設定する
- 301リダイレクトを適切に設定する
- Googleサーチコンソールにドメイン変更を伝える
- Webサイト内にあるURLも新しいURLに変更する
チェックポイント1:コンテンツを減らしすぎない
リニューアルを機に不要なコンテンツやテキストを削除するのは悪いことではありません。しかし、コンテンツやテキストが減ると、検索エンジンに評価されていた部分が削除されてしまい、検索順位が下がる可能性があります。
また、ユーザーにとっても必要な情報がなくなってしまい、Webサイトの利便性が低下する可能性があるのです。
チェックポイント2:内部リンクを大量に減らさない
リニューアルによって、以前よりも内部リンクの数が減ってしまうケースがあります。内部リンクは、クローラーがWebサイト内を巡回しやすくなるだけでなく、ユーザーの回遊率向上にも効果があります。
リニューアル前のページで設定されていた内部リンクを、リニューアル後も適切に引き継ぐことで、SEO評価の低下を防ぐことが可能です。
チェックポイント3:XMLサイトマップを設定する
XMLサイトマップとは、Webサイトのページ情報を検索エンジンに伝えるためのファイルです。リニューアル時はWebサイトの構造やURLが変更されるため、XMLサイトマップを更新し、検索エンジンに正しく伝えることが重要です。
サイトマップを送信することで、クローラーが効率的にWebサイト内を巡回しやすくなり、インデックスが早まる効果が期待できます。リニューアル後、なかなかインデックスされないという事態を防ぐためにも、XMLサイトマップは必ず設定しましょう。
チェックポイント4:meta要素を適切に設定する
meta要素とは、タイトルタグやディスクリプション、見出し(h1)など、検索エンジンやブラウザにWebページの内容を伝えるためのHTMLタグのことです。
リニューアル時にmeta要素を適切に設定することで、検索エンジンがWebページの内容を正しく理解し、検索結果に適切に表示されます。逆に、例えばタイトルに今まで入っていたキーワードを抜いてしまうと、そのキーワードでの評価が下がってしまう可能性があります。
リニューアルのタイミングで既存のmeta要素を見直すことはもちろん、間違った設定にしないように注意が必要です。
チェックポイント:5ページの表示速度を落とさない
ページの表示速度は、SEOにおいて重要なランキング要素の1つです。サイトリニューアルによって表示速度が遅くなると、検索順位が下がってしまう可能性があります。
リニューアル前の表示速度を計測し、リニューアル後も速度が維持・向上しているかを確認しましょう。
チェックポイント6:レスポンシブデザインを採用する
Googleは現在モバイルファーストインデックス(MFI)を導入しており、モバイル版のページをインデックスの基準にしています。そのため、PCサイトとモバイルサイトでURLが異なると、SEO評価が分散され、検索順位に悪影響を与える可能性があります。
デバイスによって異なるURLが存在する場合は、Webサイトリニューアル時にレスポンシブデザインを採用するようにしましょう。
チェックポイント7:クローラーやインデックスを拒否しない
Webサイトリニューアルの作業中は、robots.txtを活用してWebサイトを非公開にしていることも多いです。この設定を解除しておかないと、せっかくリニューアルしてもページがインデックスされない事態をまねいてしまいます。
リニューアルが終わったら、クローラーがWebサイト内を巡回してインデックスできるように設定を見直すようにしましょう。
チェックポイント8:noindexを外す
robots.txtと同様、Webサイトリニューアルの作業中はnoindexによってインデックスを拒否しているケースも多いです。それ自体は問題ないのですが、リニューアル後の外し忘れには注意しましょう。
全てのページがインデックス可能になっているか、Googleサーチコンソールなどを使ってチェックするようにしてください。
チェックポイント9:404エラーを適切に設定する
ページの構成変更や内容の見直しを実施してページを削除する場合、404エラーを返す設定をしておきましょう。
チェックポイント10:301リダイレクトを適切に設定する
ドメイン変更がある場合は、古いURLから新しいURLへリダイレクトさせる設定が必要です。
旧URLにアクセスがあった場合、新URLへ自動的に転送させる設定を「301リダイレクト」といいます。301リダイレクトを設定することで、SEO評価を引き継ぎ、ユーザーを適切なページへ誘導できます。新旧URLの対応表を作成し、ミスなく設定を行いましょう。
チェックポイント11:Googleサーチコンソールにドメイン変更を伝える
Webサイトリニューアルに伴いドメイン変更があった場合は、Googleサーチコンソールにその変更を伝えましょう。ドメイン変更を伝えることで、リニューアル後のWebサイトがGoogleに正しく認識され、検索結果に反映されるようになります。
チェックポイント12:Webサイト内にあるURLも新しいURLに変更する
Webサイトリニューアルでは、Webサイト内にあるURLも新しいURLに変更する必要があります。例えば、Webサイト内にあるPDFや画像などのリンクやお問い合わせフォームのURLなどです。これらの変更を忘れるとリンク切れを起こしてしまい、ユーザービリティーの低下につながります。また、SEO評価にも悪影響を与える可能性があります。
Webサイトリニューアルを検討すべきタイミング
Webサイトリニューアルは、Webサイトの状態に問題がある場合や、ビジネスの転換期に行うのが効果的です。以下のような状況に当てはまる場合は、Webサイトリニューアルを検討すべきタイミングと言えるでしょう。
PCとスマートフォンでページのURLが違う
先ほども少し解説したように、Googleはモバイルファーストインデックスを採用しています。PCサイトとモバイルサイトでURLが異なる場合、モバイル版が優先的に評価されるため、PCとモバイルで評価がわかれてしまう可能性があるのです。
PCサイトとモバイルサイトでURLが異なる場合は、Webサイトリニューアルを機にレスポンシブデザインへの移行を検討しましょう。
SSL化していない
WebサイトがSSL化(https化)されていない場合、WebサイトリニューアルのタイミングでSSL化を行うべきです。
SSL化されていないWebサイトは、ブラウザに「保護されていない通信」と表示され、ユーザーに不安感を与えてしまいます。検索エンジンからの評価も下がってしまうため、未対応の場合はWebサイトリニューアルと一緒に行っておきましょう。
重複コンテンツが多い
重複コンテンツを放置しておくと検索順位が下がるだけでなく、最悪の場合、検索結果に表示されなくなる可能性もあります。特に多くのSEO記事を保有するWebサイトの場合、同じテーマで複数の記事を作成していることも珍しくありません。
全く同じ内容でなくても重複コンテンツだと判断されてしまう可能性があるため、Webサイトリニューアルで調整するのがおすすめです。
ページの表示速度が遅い
ページの表示速度が遅いと、ユーザーの離脱を招き、SEO評価の低下にもつながります。Googleはコアウェブバイタル(Core Web Vital)という指標でWebサイトのユーザーエクスペリエンスを計測しており、その中にページスピードに関する指標も含まれています。
ページの表示速度の改善はSEO評価にも大きく影響するため、Webサイトリニューアルを行って大幅に改善しましょう。
会社が打ち出すメッセージやサービスが大きく変わる
会社が打ち出すメッセージやサービスが大きく変わるときも、Webサイトリニューアルを検討すべきタイミングです。会社のメッセージやサービス内容とWebサイトの内容が一致していないと、ユーザーの混乱を招き、コンバージョン率の低下につながる可能性があります。
新しい内容に合わせて、Webサイト全体の構成やデザイン、コンテンツを見直しましょう。
執筆者紹介
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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