台湾の旅行者の77.4%、米国の旅行者の53.6%は1年以内に日本を再訪したい――JTB総合研究所調査:今日のリサーチ
訪日インバウンド旅行者の中にはリピーターとなる人も少なくありません。そこで、次回の訪問を見据えて旅ナカでの体験を次の旅行につなげることはできないでしょうか。
JTB総合研究所は「インバウンド旅行者への情報提供に関する調査(2024)」の調査結果をまとめました。
過去1年以内に観光目的の日本旅行をした18歳以上の男女(台湾、米国)に、観光を目的としてまた日本を訪れたいかを聞いたところ、「1年以内に訪れたい」と答えた割合は、台湾の旅行者が77.4%、米国の旅行者が53.6%でした。
旅ナカでの情報接点は次回の訪日旅行の旅マエの期間でもある
次回の訪日旅行で行ってみたい都道府県としては、東京、大阪、京都、北海道が共通して人気があり、台湾の旅行者は沖縄、米国の旅行者は福岡も上位に挙げています。
日本旅行中に触れた情報で、次回行ってみたい場所として台湾の旅行者が挙げたトップ3は「温泉」「観光施設」「スイーツ・お菓子屋さん」でした。一方、米国の旅行者が挙げたトップ3は「テーマパーク」「高級なレストラン・割烹」「地元の人に人気のカジュアルな飲食店」で、地域ごとに特徴が分かれました。共通して高い人気を示したのは、「神社仏閣」と「地元の人に人気のカジュアルな飲食店」でした。
次回の旅行で行ってみたいと思った理由としては、「直近の旅行の予定が詰まっていて時間がなかった」(37.2%)が最多で、「直近の旅行で訪れて気に入ったから(35.4%)」がそれに続きました。また「直近の旅行先から離れた場所だった」という理由も3割程度ありました。旅行の滞在先から距離があるエリアの情報だとしても、次回の旅行先の候補としては、興味深い情報として旅行者に受け入れられる可能性があると考えられます。
2023年度の調査結果で、訪日旅行者の約8割が旅行日数や旅行形態に関係なく旅マエに旅程をほぼ決定していることが分かっています(関連記事:「インバウンド勢が日本でしたいこと、アジアの旅行者と欧米の旅行者の違いは?」)。旅ナカで新たに得た情報がきっかけで体験することは主に「食事」や、滞在先の周辺で行える「数時間程度の体験」などでしたが、今回の調査では、およそ3割の旅行者が、次回の旅行先としての情報であれば、離れた場所の情報にも関心を持っていることが明らかになりました。旅ナカでの情報接点を次回の訪日旅行の旅マエの期間と位置づけることで、旅ナカでのより幅広い情報提供の可能性が生まれると考えられます。
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