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生成AIが丸ごと制作 バーチャルモデルが闊歩するファッションショー映像の完成度Marketing Dive

AI機能を搭載した最新型スマートフォンのプロモーションに、Motorolaが生成AIをフル活用したキャンペーンを展開。バーチャルモデルがランウェイを歩くファッションショー映像を披露した。

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Marketing Dive

 Motorolaが生成AIを活用したキャンペーン「Styled With Moto」を開始した。このキャンペーンでは、バーチャルファッションモデルがさまざまな設定で十数種類の衣装を着用した30秒の動画を放映する。サウンドトラックには、Motorolaのスマートフォンの起動音「Hello Moto」のジングルも組み込んだ。これもAIを活用して生成した。

完全なる生成AI広告はこうして作られた

 ブランドが広告クリエイティブに生成AIを活用する最新事例となった「Styled With Moto」が目指すのは、斬新なファッションデザインとモデルを起用したファッショショーや写真撮影の模様を映像化することで、スマートフォンメーカーであるMotorolaをテクノロジーの革新者、ファッショナブルなブランドとして見せることだ。同社の折り畳みスマートフォン「Razr 50」と「Razr 50 Ultra」はAI機能を搭載しており、それ自体をファッションアクセサリーとなることをアピールしている。

 このキャンペーン映像は、4カ月間の準備を経て制作したものだ。AIが生成した数千枚の画像から選定したスタイルと素材を基に、Motorolaのロゴである「バッドウイング」(こうもりの翼)をあしらった衣装を制作している。このキャンペーンは、フランスの広告代理店Heavenと共同で制作し、Adobe Firefly、Midjourney、Krea.ai、Comfy UI、Hypic、Magnific.ai、ClipDrop、Luma、UdioなどさまざまなAIツールを使用した。

 映像は、Motorolaのソーシャルチャネルで共有し、2024年6月26日にパリで開催したローンチパーティーでも紹介した。イベントでは、バットウイングの衣装を着たゲストの150枚の肖像画や、ファッションデザインを手掛けるScotomalabと協力してデザインした「モトローラドレス」を展示した。キャンペーンを宣伝するために、Motorolaは2人のコンテンツクリエイター(@dressingleloo/@thedwardsad)と協力し、スマートフォンのカラーバリエーションに合わせた6色の衣装を紹介する映像も制作した。

 生成AIを広告クリエイティブに活用することは、消費者と広告業界にとって依然としてデリケートな問題だ。Toys R Usは、OpenAIの動画生成AI「Sora」を使用して制作した映像を発表した(関連記事:「トイザらスがOpenAIの動画生成AI『Sora』を使って広告制作 コンセプト立案から最終納品までわずか3週間」)。この1分間の映像を同社の幹部は「成功」と評したが、広告業界メディア「AdAge」(外部リンク/英語)によれば、クリエイティブコミュニティーからは反発を受けている。

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