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トイザらスがOpenAIの動画生成AI「Sora」を使って広告制作 コンセプト立案から最終納品までわずか3週間Marketing Dive

玩具ブランドToys R Usの制作部門は広告代理店のNative Foreignと提携。OpenAIがαテスターのみに提供する動画生成AI「Sora」を使用してわずかな期間でブランド動画を制作した。

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 Toys R Usは、テキストから動画を生成するOpenAIの新たなツール「Sora」を使用した初のブランド動画を制作したと主張している。現在αテスターにのみ提供されているSoraは、テキストプロンプトに基づいて最大1分のビデオを生成できる。

 同社のエンターテインメント制作部門であるToys R Us Studiosは、クリエイティブエージェンシーのNative Foreignと提携し、創業者のチャールズ・ラザラス氏がブランドとマスコットキャラクターであるキリンの「ジェフリー」をどのように作り上げたかを物語る動画を制作した。

 このコンテンツはSoraのおかげで数週間で制作され、「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル2024」での初上映に間に合った。これにより、マーケターが生成AIツールを使用して時間とコストを節約できることが示された形だ。

生成AIフル活用で破綻したブランドの再生へ

 Toys R Usは大規模な再立ち上げに向けて準備を進める中で、マーケティングおよびメディア業界の注目の的である生成AIツールを活用している。OpenAIは2022年11月に「ChatGPT」をリリースして現在のAIブームを巻き起こし、今度はSoraのリリースでさらなる飛躍を目指している。

 Toys R Us Studiosは、Soraのαアクセスを持つクリエイティブエージェンシーのNative Foreignでチーフクリエイティブオフィサーを務めるニック・クレベロフ氏に依頼し、Toys R Usの起源に関する1分間の動画を制作した。この動画は、自転車店の息子であったラザラス氏がToys R Usとその象徴的なマスコットをどのように思いついたかを描いている。Toys R Us Studioの社長キム・ミラー・オルコ氏がエグゼクティブプロデューサーを務め、クレベロフ氏がこのプロジェクトのディレクターを務めた。

 完全版の動画はブランドの公式Webサイト(外部リンク/英語)に掲載されており、百貨店のMacy's店舗内のToys R Usのポップアップストアについても言及されている。Toys R Us親会社のWHP Globalは2023年、玩具小売業のGo! Retail Groupとの提携を発表し、2024年から米国で最大24の旗艦店を開設する予定だ。Toys R Usは2017年に破産を申請し、2018年に店舗を清算したが、現在は年間小売売上高20億ドルを上げているとWHP Globalは述べている。

 クレベロフ氏はプレスリリース(外部リンク/英語)の中で「クリエイティブ業界は、Toys R Usと同様にルネサンスを迎えている。Soraを通じて、私たちはこの驚くべき物語を驚異的なスピードと効率で伝えることができた。Toys R UsはこのAI先進の戦略を採用するのに最適なブランドであり、彼らのクリエイティブチームと協力して、次の革新的なストーリーテリングの波をリードできることに興奮している」と声明を出している。

 Soraを使用することで、ブランドとエージェンシーはコンセプトから最終製品までわずか数週間で進行し、数百回の反復作業を数十に圧縮できた。この動画はほぼ完全にSoraで制作されたが、いくつかの修正ビジュアルエフェクトと、ロックバンドCopelandのアーロン・マーシュ氏によるオリジナルスコアが含まれている。

 Toys R UsはCoca-ColaやStarburstなど、生成AIを使用してキャンペーン素材を制作しているブランドの一群に名を連ねることになった。テキストによる動画生成技術は、GoogleやMetaなどのテックプラットフォームやPublicis、WPP、Havasなど大手広告代理店の成長計画にとっても重要なものとなっている。

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