複数店舗を持つ企業なら知っておきたい「ローカルSEO」を成功させる方法:SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説
複数店舗を展開している企業のSEO対策はどうあるべきか。今回は地域名を含んだSEO対策、いわゆる「ローカルSEO」の方法をわかりやすく解説します。
複数店舗を展開している企業にとっては地域名を含んだキーワードで検索されることを念頭にSEO対策を考える必要があります。具体的には何を意識して地域名キーワードを扱っていけばいいのか。逆にやってはいけないことはあるのか。どのようなトップページを作成すると集客効率が良くなるのか。この記事でわかりやすく解説します。
地域名を含むSEO対策とは?
地域名を含むSEO対策は、特定の地域に関連するキーワードを使用して検索エンジンでの表示順位を向上させ、その地域のユーザーをターゲットにするための戦略です。一般的には「ローカルSEO」と呼ばれており、実店舗でのビジネスを行っている企業にとっては欠かせない対策となっています。
例えば単に「メンズ 脱毛」というキーワードで検索した場合、検索結果にはお薦めのサロンや自宅でもできる脱毛法、平均的な料金、注意点などのページが表示されるでしょう。しかし、ここにユーザーが地域名を加えて「渋谷 メンズ 脱毛」と検索すると、「渋谷周辺でメンズ脱毛ができるサロン」が表示されます。渋谷に店舗を構えている企業にとっては、ここで検索結果上位に表示されることで、より効果を高めやすくなるのです。
ローカルSEOは「MEO」とは違う?
「地域SEO」や「ローカルSEO」と似たものとして「MEO(Map Engine Optimization)」があります。「Googleマップ」などの地図アプリにおいてユーザーが検索した際に上位表示されることを目的に、店舗の位置情報や営業時間、電話番号などの情報をまとめて、ビジネスの視認性を向上させるために行う対策を指します。
ローカルSEOもMEOも、地域に関連する検索時に注目度を高めるという目的は同じであり、実質的にはほぼ同義とも言えます。強いて言えば、ローカルSEOは検索エンジンでの最適化にフォーカスしており、MEOを含めたより広義の概念ということになります。
地域名を含むキーワードに対応するメリット
地域名を対策キーワードに含めるメリットは2つあります。
一つは、特定の地域に焦点を当てることで、競合との競争を減らすことができる点。これが最大のメリットです。キーワードに地域名を使用することは「検索結果をエリアで限定すること」を意味します。その分、全国規模の市場をターゲットにするよりも競争が少ないため、地域に根差したビジネスを展開している場合に有効です。
もう一つのメリットは、より明確なニーズを持つ顧客層を効果的に引き寄せることができる点です。例えば「渋谷 ヘアサロン」や「仙台 フレンチレストラン」といったキーワードの利用者は、その地域に住む、または訪れる予定のある可能性が高いと言えます。これらの人々は「渋谷でヘアサロンを利用したい」や「仙台でフレンチレストランを探している」といった具体的なニーズを持って検索しているのです。地域名を含めたSEOは明確な顧客ニーズに直接応えることができるため、集客を効率化し、結果的に高いコンバージョン率が期待できます。ニーズに合った情報を届けているわけですから、検索エンジンで上位に表示される可能性も高まります。
複数の地域に店舗がある場合のSEO対策7選
複数の地域に店舗がある場合、以下7つのローカルSEO対策をお薦めします。
1. 各地域のトップページを作成する
複数の地域に店舗を展開しているビジネスの場合、地域ごとに専用のトップページを設けるのが有効です。トップページはリンクも多く訪問数も増えやすいので、各地域のニーズに対応した内容をまとめたページを作成し、運営の基盤としておきましょう。このときに大切なのが、その地域の文化や消費者の思考に合わせた内容や地域固有のプロモーションを含めることです。
2. できるだけ市区町村や駅名を含める
地域名を使用する際は、市区町村名や最寄りの駅名をできるだけ詳しく入れるようにした方が集客をしやすくなります。住所(所在地)を毎回記す必要はありませんが、キーワードを詳細にするほど競合も少なくなります。
例えば東京には渋谷に1店舗しかない場合でも、「東京 渋谷」を含めたキーワードで対策した方が検索時のヒット数が増える可能性があります。このように設定しておけば「東京 店舗名」と「渋谷 店舗名」のどちらでも上位表示される傾向が高まるからです。
アクセスの関係で「駅名」や「付近のバス停」で検索される可能性もあるので、コンテンツを作成する際はこのようなキーワードも盛り込むようにしましょう。
3. タイトルやメタディスクリプションに地域名キーワードを含める
基本となるのが、タイトルとメタディスクリプションに地域名キーワードを含めることです。この2つは検索結果ページからクリックせずに目につく項目なので、地域名キーワードが含まれていると「ニーズに合った記事」として認識されやすくなります。
注意点としては、表示される適切な文字数があることです。具体的には、タイトルで28〜35字程度、メタディスクリプションで100字前後が一般的な文字数基準ということになります。
4. 各店舗ならではの特徴をまとめる
店舗ごとにトップページを設けるといっても、その地域名と外観の写真しか変わらないだけではあまり意味がありません。基本の内容が他店舗のページと似過ぎていると、Googleから「類似コンテンツ」と見なされる可能性があり、SEOの面でデメリットとなります。そのため、その店舗の個性が引き立つ施策など、特徴を前面に出すように心掛け、単なる複製にならないようにしてください。
5. 地域差が出ない商品情報は無理に記載しない
店舗のトップページごとに地域差を出すことが重要と述べましたが、逆に言えば違いが出ない部分は重要ではなく、無理に記載する必要はないとも言えます。
例えば飲食店の定番メニューなど、どの店舗であっても提供しているサービスに変わりがないのであれば、ナビゲーションで「メニュー」専用ページへの動線を設けておけばよく、各店舗のトップページにまで同じ内容を羅列する必要はありません。むしろ省略した方が各ページがすっきりとまとまるでしょう。
一方で「渋谷店限定商品」のように明確な違いがある場合は、積極的に掲載することをお薦めします。
6. 各店舗での口コミをまとめる
店舗のトップページごとに違いを出せる要素に「口コミ」があります。提供しているサービスが同じであったとしても、店内の接客状況や混み具合などは変わってくるものです。その店舗の人気ぶりや口コミページの活性化を図るために、随時取り入れていくようにしましょう。
7. Googleビジネスプロフィールを作成する
基本の対応ではありますが、店舗ごとにGoogleビジネスプロフィールを設定して、マップアプリなどでの検索時に表示されやすいようにしておきましょう。Googleビジネスプロフィールでは具体的に以下のような詳細をまとめることができます。
- 営業時間
- 住所
- 電話番号
- Webサイト
- 写真
これを載せておくことで顧客からのレビューも受け取りやすくなるので、口コミによる集客も狙いやすくなります。
ローカルSEOの注意点
地域名を含めたSEO対策を実施する際には以下の2点に注意しましょう。
1. 単純なキーワードの羅列にならないようにする
地域名キーワードを使いたいからといって、ページ上で意味なくキーワードを羅列するのはやめましょう。地域名に限ったことではなく、上位表示目的でむやみにキーワードを乱用してしまうと、Googleからスパム扱いされる可能性が高まります。
Googleの評価基準はあくまでも「ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを提供すること」です。過度に地域名を取り入れて不自然な文章になるくらいなら、内容の伝わりやすさを優先してまとめるようにしてください。
2. 地域名だけしか変わらないページを作らない
先述したように、どうしても地域名や店舗情報しか違いがない場合は、無理に店舗ごとのトップページを作成する必要はありません。大規模チェーン店などであまりにも店舗数が多く、かつ商品やサービス、口コミに違いがないような状況であれば、展開している店舗一覧を紹介するページを設けるだけでも十分でしょう。価値ある情報を提供することと類似コンテンツによるペナルティを加味して判断すべきです。
複数の店舗を構えるビジネスを展開している場合は、その地域ごとにキーワードを設けてローカルSEOに対策していることが重要になります。
ただし、あくまでも「その店舗でどのようなサービスを提供しているのか」を知りたいという読者のニーズを最優先にしてください。それぞれの店舗での特徴を出しながら、有益なコンテンツを作成していきましょう。
執筆者紹介
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げを行う。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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