データ分析系ニュースまとめ(2023年12月第1週):マーケ×ITニュースダイジェスト
今週は、SEO対策の内製化を支援するアシストの新サービスなど3つのニュースを取り上げる。
今週も、マーケティング領域におけるデータ活用に関する新着ニュースを紹介する。取り上げるのは、三菱総研DCSとスリーシェイクの連携によるデータ活用促進の新サービス、マーケティング情報のデータ分析の精度を高めるNTTの新技術、SEO対策の内製化を支援するアシストの3つだ。
三菱総研DCSとスリーシェイクが連携、ノーコードアプリでデータ活用を促進
三菱総研DCSは、スリーシェイクが提供するデータ連携ツール「Reckoner」を活用し、クラウドサービスや自社管理のシステムなどに散在するデータを効率的に連携できるようにするサービス「データユニファイドサービス」の提供を開始した。顧客のシステムの運用負荷を軽減し、クラウド利用の効果を高められるようにする。三菱総研DCSは、クラウドサービスの効果的な活用を支援する「FQ Smart+」シリーズを展開している。データユニファイドサービスは、FQ Smart+の新サービスという位置付けだ。同サービスでは、ノーコードで開発するアプリケーションを通じて、クラウドサービスや自社管理システムなどに散在し、サイロ化してしまったデータを連携することで、データを活用できるようにする。専門知識が不要で、直感的な操作だけでデータ分析に必要な準備作業を効率的に進められる点が特徴だ。ライセンスのみを提供するプランや、データ活用のスモールスタートを支援するプランに加えて、テクニカルサポートなどのオプションも用意。今後は、データ活用の内製化を支援するハンズオン・ワークショップ形式のプランの提供も検討している。(2023年11月21日)
生成AIでSEO対策の内製化を支援
中小企業や個人店舗を対象にWebサイトやアプリケーションの制作サービスを提供するアシストは、AIを搭載した新たなSEO対策サービスの提供を開始した。新サービスでは、顧客のWebサイトをスキャンし、実際にユーザーが検索しているキーワードに基づいて、SEO対策につながる推奨テーマを提案する。さらに、そのテーマに合った記事の構成や、専門性の高い3000文字前後の記事を生成できる。単に文章を生成するだけでなく、Googleが重視する「体験」「専門性」「権威性」「信頼制」といった評価指針を踏まえた文章を生成するため、検索エンジンに評価される可能性を高められるという。同社は同ツールの特徴として、シンプルな操作性を実現したことで、ユーザーが自らSEO施策を実施できることを挙げている。レイアウト変更や気に入ったデザインをテンプレートとして登録するといった操作が管理画面から実行できる他、コンテンツの初期制作と長期運用のためのSEO解析ツールが含まれている。(2023年11月25日)
マーケティング情報のデータ分析を加速する暗号化データの統合、分析手法を開発
NTTは、暗号化したままデータを分析する秘密計算技術において、複数データの結合とグループ化集計を可能にする新たな方法を開発した。開発した方法はデータ結合部分とグループ化集計という2つの部分からなる。発表文によると、データ結合部分では実測値で従来の3.95倍という世界最速を記録し、グループ化集計部分では重要な統計値である中央値の計算を世界で初めて実現した。新手法を用いることで、複数組織が持ち寄ったデータを暗号化したまま統合し、多様な統計値をより短い時間で分析できるようになる。例えば、クレジットカードの利用額のような極端な値が含まれるデータに対して、楽曲データを販売している企業Aとクレジットカード企業Bが、好みの楽曲とクレジットカード利用額の関係に着目して分析することで、双方の持つデータを伏せたまま名寄せし、好みの楽曲のジャンルごとのクレジットカード利用額の統計量を計算できるようになる。今回開発したグループ化集計のアルゴリズムを使用すると、中央値やパーセンタイルといった極端な値の影響を受けにくい重要な統計量も計算できる。NTTコミュニケーションズは、これらの機能を同社の秘密計算サービス「析秘」に内部演算としてすでに実装しており、顧客企業も利用できる。(2023年11月27日)
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