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いまさら聞けないアドフラウドとは? 仕組みと5つの対策について解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

アドフラウドとは、広告の表示回数を水増しして、不当に広告収入を稼ぐ方法です。会社の予算を預かって広告に投資するマーケターにとっては無視できないテーマと言えます基礎知識と具体的な対策について解説します。

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 Web広告は、表示回数やクリック数に応じて広告主が費用を支払うことが大半です。だからこそ不正なプログラムなどでインプレッションやクリック数が水増しされてしまっては、本来の広告の目的を果たせません。

 そこでこの記事では、アドフラウドの概要を踏まえ、詐欺の仕組みや具体的な種類、対策方法などを解説していきます。

そもそもアドフラウドとは

 アドフラウドとは日本語で「広告不正」または「広告詐欺」と呼ばれます。主にデジタル広告の世界における不正行為であり、何らかの手段で見えていない広告を見えたように装ったりクリックを水増しするなどして広告費をだまし取る行為です。

 広告主から見れば、アドフラウドが存在するということは、費用をかけて出稿しているにもかかわらず成果につながらない広告を運用している状態にいることになります。

 アドフラウドはデジタル広告業界において重要な問題となっており、広告主や広告プラットフォームはさまざまなセキュリティ対策を講じています。しかし、根絶に至ってはいないのが現実です。

アドフラウドの仕組み

 アドフラウドは、悪質な業者やハッカーがプログラミング(bot)などによって行います。アドフラウドがあると広告主は正確な広告の効果が測定できくなってしまうのえ、予算を浪費したり、マーケティング戦略の混乱を招いたりする可能性があります。また、Web広告はクリック数や表示回数に応じて費用を支払うものなので、故意に増やされた価値のないトラフィックやインプレッションに対して課金されれば、広告費を捨てているのと同じことになります。

アドフラウドの種類

 アドフラウドには、大きく分けて5つの手法があります。

1. クリック表示数の水増し

 アドフラウドの典型的なパターンが、プログラミングを利用して広告の表示回数やクリック数を増やす方法です。ここではbotと呼ばれるプログラムを使って行われることが多いです。

「クリックスパム」と呼ばれることもあります。

2. デバイスをハッキングする

 表示回数を偽造する2つ目の手法として、ユーザーのデバイスそのものをハッキングするよいうやり方があります。PCやスマホを不正なプログラムに感染させることで、対象となる広告を強制的に表示させたりユーザーの意図に反してクリック数を増やすしたりします。

3. CSSを利用して広告を隠す

 Webサイト上のデザインを決めるCSSというプログラムを用いて、ページ上に広告を隠すように掲載することがあります。これによってユーザーに自覚のないまま広告の配信数を増やしつつも、広告主は全く成果につながらないという事態になるのです。一般的にははなかなか発見が難しいところですが、特にデザインが派手なWebサイトは要注意と言えるかもしれません。

4. 過度な広告領域

 過度な広告領域とは、検索エンジンスパムと組み合わせて、広告ばかりのページに誘導するアドフラウドです。画面の多くの部分が広告で埋め尽くされているために誤ってクリックしてしまうこともあり、広告主のみならずユーザーにも不快感を与えます。なお、SEOを利用したスパムについては、以下のの記事を参考にしてみてください。

5. 自動でリロードをして表示回数を増やす

 Webサイトを高頻度でリロード(再読み込み)させるシステムを組み込むことで、頻繁に広告を出現させる方法があります。広告の表示回数を増やすシンプルな方法ではありますが、リロードのたびにサーバに負担がかかります。Webサイトの体験の質も低下してしまうため、対策は必須です。

 これらの方法を使われると、見かけ上のトラフィックは増えることになりますが、実際には人が見ている可能性は低く、見ていたとしても自発的にではないので、コンバージョンにも認知向上にもつながらないでしょう。

【広告主必見】アドフラウド対策5選

 具体的なアドフラウドの手法が分かったら、広告主として覚えておくべき対策方法を学んでおきましょう。

対策1:アドフラウドに関する知識を身につける

 具体的な対策をする前に、まずはアドフラウドに関する知識を身につけましょう。どのような手段があるのかを把握できなければ、対策を講じることはできません。レポートをそのまま鵜呑みにせず、少しでも疑う意識を持つだけで思わぬ損失を防ぎます。

対策2:アドフラウド対策ツールを導入する

 費用はかかりますが、アドフラウド対策ツールを導入することはシンプルな対策方法です。アドフラウド対策ツールとして代表的なのは以下のツールで、実績・機能いずれも申し分ありません。

  • SpiderAF
  • X-log.ai
  • IAS

 アドフラウド対策を自分たちだけで行うのは難しい面もあります。不安に感じたらツールの導入も検討してみましょう。

対策3:信頼のできるWebサイトに出稿依頼する

 根本的な話ですが、不正行為をするようなWebサイトに広告掲載の依頼をしないことも大切です。特に記事の投稿数が多ければ広告の効果も高まると感じやすいですが、重要なのは記事の量よりも質です。信頼できる運営者なのかを見極めて依頼するようにしましょう。運用型広告でどの媒体に掲載されるかわからないケースも少なくないですが、その場合も可能な限り露出先を把握し、できる限りの対策をしていくことが重要です。

対策4:挙動が不自然ではないか、目視で確認する

 ユーザーのデバイスがハッキングされている場合は、明らかに挙動が不自然な部分が数字として出てきます。特に広告をクリックしてからアプリなどが起動するまでの時間「Click to Install Time」が極端に短くなることが多いです。botやハッキングなどによってシステムに異常が出ていないかを見るための一つの目安として、この値を確認してみましょう。

対策5:アクティブ時間が長い場合はbotを疑う

 botが組み込まれてしまうと、何度でも広告を表示したり、ページをリロードしたりと、ユーザーが利用するときより圧倒的にアクティブ率が高まることが多いです。アナリティクスなどを確認して、特出したユーザーがいないかを確認してください。

アドフラウドについてよくある質問

Q:アドフラウドは広告主にどのような影響を与えますか?

A:アドフラウドは不正に広告の表示回数を増やす行為なので、広告主はそのぶん多くの出稿費用を支払うことになります。また頻繁に広告が表示される不快感から、ユーザーに悪印象を与えかねません。経済的な損失だけでなく、企業の信頼を損なう点にも注意が必要です。

Q:アドフラウド以外にも気を付けるべきことはありますか?

A:ブランドセーフティーとビューアビリティーという2つの概念については覚えておきましょう。

  • ブランドセーフティー:ブランドにとっての安全性。意図しない面に広告が配信されることによりブランドを毀損してしまう。
  • ビューアビリティー:広告の可視性。配信している広告がインプレッションとして計測されてはいても実際にはユーザーの目に見えていないこともある。

 広告配信には気を付けるべき点がたくさんあります。基礎的な知識はしっかり習得して適切に広告配信をしていきましょう。


 アドフラウドはプログラミングを利用して行われることが多いので、Webサイトを確認しただけでは原因が特定できないことがほとんどです。従って、対応が遅れてしまうこともありますが、アドフラウドに関する知識を蓄えておけば、疑いの目を持つことはできます。対策ツールを入れておけば数値で確認できる要素もあるので、迅速に対応したい人は検討しておきましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム リーダー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(リーダー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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