コラム
EC企業が今、UGCを活用すべき理由:広告による新規獲得の効率が悪化している今だからこそ(1/2 ページ)
さまざま企業がECへの取り組みを加速させる中、新規顧客の獲得はますます重要になっている。一方で、そのための手段として重要なデジタル広告は、期待されるほどの効果を出しにくくなっている。この困難な状況をどう乗り越えればいいのか。デジタル広告のエキスパートが解説。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を一つのきっかけとして、ECへの参入意欲を持った企業が増えている。D2C(Direct to Consumer)のビジネスモデルへの関心も高い。
ECへの新規参入となれば、集客やリピート促進など、デジタル広告の取り組みが重要になるが、一方でその難易度は上がっている。
「SNSのフィードになじむ広告」としてUGC(ユーザーの手によって生成されたコンテンツ。InstagramやTwitter上のユーザー投稿がその代表例)の活用を提唱し、企業のマーケティング活動を支援するエキスパートが、この困難な状況を打破するための考え方を解説する。
CPM高騰&規制強化に立ち向かう
広告による新規獲得の効率が悪化している――。現場でこのような声を聞くことが年々増えてきている。
急速なデジタル化の進展で、企業と消費者のコミュニケーションの在り方は急激に変化している。それに伴い、広告も変わっていかなければならないのだが、実際には多くの企業がこの変化に対応し切れず、新規獲得の効率悪化に悩まされている。
主な原因として挙げられるのが、以下の2点だ。
- 各媒体におけるCPM(インプレッション単価)の継続的な高騰:デジタル広告の出稿量増加に伴ってSNS媒体を中心に各媒体のCPMは値上がりを続けている。新型コロナウイルス流行によってデジタル化が急速に進んだ昨今の市場感に鑑みると、今後CPMが以前のように値下がることは考えづらい。
- 規制強化:Googleの検索アルゴリズムの定期的な変更や各媒体のクリエイティブ審査の厳格化、消費者庁の広告に対しての取締強化など広告の規制強化が進む中で、従来勝ちパターンとされてきた新規獲得広告の訴求手段の一部が実行できなくなっている。
このような背景から、新規獲得施策に関する考え方の抜本的な改革が求められている。まずは、今日に至る時代の流れを正しく把握する必要がある。
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