LINEがAI事業をリブランディング 「LINE CLOVA」の現在とこれからについて:「LINE AI DAY」で発表(1/2 ページ)
「LINE AI DAY」で語られたLINEのAI事業の特徴と注力分野、これからの展開について。新たに発表されたAIによる議事録作成機能の紹介も。
LINEは2020年7月29日、同社のAI事業に関するカンファレンス「LINE AI DAY」をオンラインで開催した。本稿では同イベントのオープニングキーノートで語られた内容を中心に、LINEのAI活用の考え方とサービスの導入実践例、今後の展開予定などについてまとめた。
CXの価値向上に貢献するAI
冒頭、LINEで取締役CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)を務める舛田淳氏はLINEがAIに注力する理由を次のように述べた。
「”Life on LINE”――これが、LINEが掲げるビジョンであり全てのゴール。人と人、人とコンテンツ、人と企業など、さまざまなつながりを作るのがLINEの目指すものだ。これを実現するための重要な考え方がDX(デジタルトランスフォーメーション)であり、DXを支えるのがAIとデータ」
さらに、DXの先にあるのはCX(顧客体験)の価値の向上だ。今回のイベントのタイトルにも「LINEで実現するニューノーマル時代のCX」というタグラインが付いている。AIは目的ではない。だが、より良いCXを実現するためにAIは欠かせない。
舛田氏に続いては2020年2月にLINE執行役員AIカンパニーCEOとなった砂金信一郎氏が登壇。AI事業の進捗(ちょく)について語った。
LINEでは、AI技術を応用した製品としてスマートスピーカーの「LINE Clova」を2017年より提供してきた。また、2019年にはLINEのAI技術を外部の企業に提供する「LINE BRAIN」を発表し、チャットbotや音声認識、音声合成、OCRなどを提供してきた。導入企業はのべ280社に上る。
代表的な取り組みとして砂金氏は、ベネッセコーポレーションが専用タブレットにLINEの音声アシスタント機能を組み込んで学習体験の向上に役立てている事例や厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策における保健所の業務支援の事例(帰国者の体調確認をAIコールが代替したり、空港で必要書類を読み取るのにOCRを活用)を紹介した。
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