COVID-19で変わるCX(顧客体験)の価値 Adobe CEOが語る:Adobe Summit 2020レポート(1/2 ページ)
前例のない困難な時代に顧客とデジタルでつながるための最善の方法とは何か。
2020年4月1日(米国時間)、初のオンライン開催となった「Adobe Summit 2020」の各種コンテンツが公開された(外部リンク)。
毎年米国ラスベガスに世界中のマーケターが集結し、デジタル化が進む世界のビジネスの潮流とAdobe製品の最新情報をキャッチアップする場となっていた同イベントだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で今回はオフラインでの開催を断念せざるを得なかった。まさに異常事態だが、困難な状況下にあるのはAdobe Summitに参加予定だった2万3000人を含む、全てのマーケターにとっても同じことだ。
未曽有の状況下でわれわれは何をすべきなのか。Adobe のCEOシャンタヌ・ナラヤン氏と同社エグゼクティブ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるアニール・チャクラヴァーシー氏のキーノートのハイライトを紹介しつつ、そのヒントを探ってみよう。主要なアップデートは以下の3つだ
- Adobe Digital Economy Index(DEI)
- Adobe CXM Playbook
- Adobe Experience Cloud Strategy
デジタル体験は「あったらいいもの」から「なくてはならないもの」へ
「今私たちは前例のない時代を生きている。COVID-19が私たちのこれまでの生活や仕事の全てを変えつつある。今まで以上にコミュニティーとして団結し、顧客とデジタルでつながるための最善の方法をシェアする必要がある」
ナラヤン氏は今回のAdobe Summitを開催する意義をそう語った。
つい最近までCX(顧客体験)とは「快適でパーソナライズされた体験をリアルタイムで提供すること」だったが、今では「デジタルの世界で不可欠なニーズを支援するもの」になった。企業には環境の変化に順応し、デジタルの経済圏で生きていくことが求められる。
デジタル世界の消費者トレンドを計測する指標として今回Adobeが発表したのが「Adobe Digital Economy Index(DEI)」だ。DEIは、匿名化して集計された何兆件ものECサイトへのトランザクションと米国のトップ100中80の小売企業が保有する数千万点の商品SKU(stock keeping unit)を基に、Adobe Analyticsを活用して分析したものだ(関連記事)。DEIで得られる詳細なインサイトはビジネスをリアルタイムで調整するのに役立つという。
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