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電通グループが注目するAI人材の宝庫としてのモンゴルDentsu Data Artist Mongolの取り組みを知る(1/2 ページ)

多くの企業がデータサイエンス人材獲得に苦戦する中、電通グループが注目したのはモンゴルだった。なぜか。

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 電通とその子会社であるデータアーティスト(以下、DA)は、2018年1月に電通が立ち上げた「AI MIRAI」プロジェクトをはじめとするさまざまなAI(人工知能)プロジェクトで連携を強めている。その裏側を支えているのがモンゴル・ウランバートルにAI人材の精鋭52人を抱えるDentsu Data Artist Mongol(以下、DDAM)である。

 日本国内の多くの企業がデータサイエンスト獲得に苦戦する中、なぜ電通グループはモンゴルに太いパイプを持ち得たのか。関係者に話を聞いた。

Dentsu Data Artist Mongol(DDAM)社内の様子《クリックで拡大》

「コピーを書くAI」などを裏で支えるエキスパート集団

 DAはAI研究の第一人者として知られる松尾 豊氏(東京大学大学院工学系研究科教授)の下で学んだ山本 覚氏が創業した気鋭のスタートアップ企業だ。同社はAIとビジネスを掛け合わせてさまざまな社会課題を解決することを目指し、特にマーケティング領域で強みを持つ。2016年11月からは電通と共同でテレビ番組の視聴率予測システム「SHAREST_RT」やデータ基盤「People Driven DMP」の開発を進めてきた。そして一連の取り組み通じて両社のビジネスに親和性が高いことを確認したことから2018年2月、電通グループの傘下に入った。

 電通とDAの経営統合によりAI MIRAIの進化は加速している。同プロジェクトでは「マーケティング」「新規事業創造」「ワークスタイル」の3つの領域に注力し、AIの実践的なユースケースを開発する。その代表的なユースケースが、AIによる広告コピー生成システム「AICO」だ。DAは自然言語処理の技術を用いてこのAICOのエンジン開発にも関わっている。

 AICOは、2019年4月から5月にかけて日本マクドナルドが展開した「改名バーガーズ」キャンペーンの裏側でも活躍した。これは、かつて期間限定で販売された商品が名前を変えて復活したことにちなみ、ユーザー自身の改名をAIが提案してくれるという企画で、Twitterを中心に話題を呼んだ。読者の中にも参加した人は多いだろう。

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