Tableauが考えるデータドリブン経営におけるコミュニティーの役割:日本では「ジェダイ」も登場(1/2 ページ)
データ活用を組織全体にスケールさせる上で欠かせないこととは何か。
Tableau Software(以下、Tableau)の日本法人であるTableau Japanは2019年5月15日、メディア向け発表会を開催した。ここでは、前日に開催された「Tableau Data Day Out Tokyo 2019」の中心テーマであった「データドリブンカルチャーの醸成」に関連して、Tableau幹部がデータ活用を組織全体にスケールさせる上で不可欠な文化醸成の重要性とコミュニティーが果たす役割について語った。
【訂正あり】本記事は、初出時より訂正した箇所があります。
ライセンス体系の刷新とカスタマーサクセスチームの設置
2013年5月に日本市場に参入して以来、Tableauは一貫して組織へのデータ活用を取り組む企業をサポートしてきた。同社がミッションとして掲げるのは「We help people see and understand data(人々がデータを見て理解できるように支援する)」というもの。このミッションには誰もがデータを見て理解できるよう支援するという強い思いが込められている。
2018年4月からTableau Japanの社長を務める佐藤 豊氏は、2200人を超える人々が参加した前日のイベントを念頭に「Tableauを導入するだけにとどまらず、組織全体に拡大するステージに向かおうとする企業が増えてきた」と語った。
佐藤氏は次のステージに向かう企業をサポートするための2つの施策として、ライセンス体系の刷新とカスタマーサクセスチームの設置について紹介した。
同社は、永続ライセンスから年額ベースのサブスクリプションライセンスをへて、2018年4月に「Tableau Creator」「Tableau Explorer」「Tableau Viewer」という3つの役割ベースのサブスクリプションライセンスを打ち出した。
データ操作に習熟したデータサイエンティストのようなパワーユーザーとデータを見るだけのライトユーザーが同じ利用料金だとすると、ライトユーザーの費用負担が大き過ぎることになる。データドリブン経営を実現するには、最初は組織の中で一部の利用にとどまったとしても、徐々にデータ活用の知見を持つ人を増やしていきたい。料金がその障壁にならないよう料金体系を改めた格好だ。
また、せっかくTableauを導入しても、うまく使いこなせないまま放置されてしまっては意味がない。そこで、顧客の継続的な利用を支援する体制を強化した。「カスタマーサクセス」という名前の通り、このチームは同社の顧客がTableauを使って成功するまでをサポートすることを目的としている。佐藤氏は「日本市場独自のニーズをくみ取って製品開発へのフィードバックや、グローバルのベストプラクティスの導入が容易な仕組みを整備し、日本のTableauユーザーをサポートする必要性を感じた」と体制強化の背景を打ち明けた。日本の主要ユーザー企業24社を集めて実施した「カスタマーサクセスサミット」もその活動の一環だという。
2つの施策の目的は、同社の顧客が組織全体にデータドリブンという文化の醸成を促すことにある。スモールスタートでも結果を出せれば、ユーザーは自信を得て、もっと仲間を増やして取り組もうと考えるようになる。佐藤氏は「データからインサイトを獲得することにとどまらず、日本企業がビジネスにおける競争優位性を確立できるよう、プロセス変革を実現しようとする人や組織のサポートしたい」と抱負を述べた。
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