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Tableau最高開発責任者が語る、誰もがデータに触れる時代のBIツールに求められる条件最新バージョン「Tableau 2018.1」リリース(1/2 ページ)

Tableau Softwareは、BI分析ツール「Tableau」の最新版「Tableau 2018.1」をリリース。同時に新製品と新たな価格体系を発表した。ビジネスに役立つ分析を誰でも手軽に実現するための新たな挑戦について、最高開発責任者に聞いた。

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 Tableau Softwareは米国時間2018年4月24日(日本時間2018年4月25日)、BI分析ツール「Tableau」の最新版となる「Tableau 2018.1」およびデータプレパレーションツール「Tableau Prep」のリリースと、新たなライセンスモデルを発表した。

 本稿では今回のアップデートの詳細と、これらの発表が分析ユーザーのビジネスにもたらすインパクトについて、同社CDO(最高開発責任者)を務めるアンドリュー・ビアーズ氏の話を交えつつ解説する。

アンドリュー・ビアーズ氏
Tableau Software CDOのアンドリュー・ビアーズ氏。創業以来全てのテクノロジーの開発に携わっている

セルフサービスBIを実現するための大前提

 データドリブンな意思決定を唱え、BIの活用を推進しようという企業が増えている。Tableauをはじめ、セルフサービスで使える手軽な分析ツールも浸透してきた。

 しかし、いかにセルフサービスBIとはいえ、分析には下準備が必要となる。まず、さまざまなデータを組み合わせ、分析に適した形式へ変換し、重複排除などのクリーニングを行わなければならない。この作業には高い専門性が求められる。のみならず時間もかかる。そこで使われるのがデータプレパレーションツールだ。

 「エンドユーザーがBIツールを利用するとき、作業に適したデータを入手するには、情報システム部門、あるいはデータアナリストのような専門家に依頼する必要がありました。担当する専門家が行う作業の8割はこの作業に費やされているといった報告も出ています。しかし、既存のツールは使いこなすのに高度な知識が必要です。昨今、多くの人がデータ分析に携わる中で、より簡単にアクセスできるツールが必要だと考え、作り出したのがTableau Prepです」とビアーズ氏は語る(以下、カッコ内のコメントは全てビアーズ氏)。

 複数のデータベースからデータを取り出し、作業用のデータを作成するには、データに欠損があったり汚れていたりしてはならない。いわゆるデータクレンジング、データクリーニングなどと呼ばれる作業により、分析に影響を与える要素を排して正しいデータ群にする必要があるのだ。データ量がそれほど多くなければ「Microsoft Excel」などを使ってこれを実行することも考えられるが、処理に要する時間もデータ量の増加に比例してかかるようになる。手作業ではいずれ限界が来るのは自明だ。

3000人のβテストで能力が高く評価されたTableauのデータプレパレーション

 Tableau Prepでは、データプレパレーションに特化したビジュアルインタフェースにより、結合やユニオン、ピボット、集計といった、一般的でありながら複雑な作業をドラッグ&ドロップなどシンプルかつ直感的な操作でできるようにしている。取材中に簡単なデモンストレ―ションを見せてもらったが、視認性も堅く、マウスクリックだけでほとんどの作業が完了するという印象を受けた。

 例えば、2つのデータベースがあって、片方には日付データが「YY/MM/DD」で記録され、もう片方には「DD/MM/YY」で記録されているとしよう。このように同じ項目でフォーマットが異なるデータがある場合、Tableau Prepでは、作業対象のデータを選択してもう片方の該当項目にドラッグ&ドロップするだけで、フォーマットを統一してくれる。

 Tableau Prepは「Project Maestro」の名で3000人のユーザーにβ版が提供されていた。テストユーザーは企業規模、業種もまちまち。日本のユーザーも含まれていたが、おおむね高い評価を得たという。日本語データベースとなると、名寄せなど独特の問題もあるが、ビアーズ氏によれば、この点についても対策は万全のようだ。

 「Tableau Prepの特長の1つは、既存のTableau製品のテクノロジー上で構築されていることにあります。アジア地域における2バイト文字の問題などは既に解決されており、日本語圏における利用も最初から全く問題ないと考えています」

Tableau Prep
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