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残念なマーケティングオートメーション導入を回避するためのチェックリストHubSpotと「マーケティングの民主化」(1/2 ページ)

中小企業でも大企業に負けないデジタルマーケティングはできます。まずは課題を押さえ、仮説を立てましょう。そのためのチェックリストを紹介します。

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 「マーケティングの民主化」をテーマに掲げた本連載も今回で最終回を迎えました。最後に、マーケティングオートメーション(以下、MA)を実際に導入する上で気を付けるべきことを、あらためて具体的にリストアップしたいと思います。

導入失敗につながる3つのパターン

 「MAツールを導入したものの、結局使いこなせずにほとんど活用していない」「メールマガジンの配信だけに使っている」――こんな導入の失敗事例をよく耳にします。また、こうした話を聞いてMAツールの導入に躊躇(ちゅうちょ)している企業も多いようです。筆者がこれまで企業のMAツール導入支援を通じて見てきた、失敗しがちなパターンは、主に以下の3つです。

その1:Webサイトをリニューアルするついでに導入

 サービスサイトやオウンドメディアといったWebサイトのリニューアルのタイミングでMAツールを導入したいというお問い合わせをしばしば受けることがあります。そのこと自体は特に否定するものではありませんが、そこでなぜMAツール導入の話が出てくるのか、ちょっと立ち止まって考えてほしいのです。

 リニューアル前の既存Webサイトの課題は何でしょうか。デザインが古いのか。情報が探しにくいのか。問題のある箇所はもちろん設計を変えればいいでしょう。しかし、そこで「予算が取れたので、ついでにMAツールを導入」と話が飛躍するのはおかしなことです。

 Webサイトのリニューアルには大変な労力を伴います。ただでさえ多くの工数を要するところにMAツール導入が重なることで、導入しただけで燃え尽きてしまう例も見受けられます。MAツールは導入しただけでは何も始まりません。あくまで施策(運用)が重要であることをまず認識してください。

 もちろん「問い合わせを増やしたい」「問い合わせを受けた後のコミュニケーションをスムーズにしたい」など明確な課題がある場合は、MAツールの導入は効果を発揮できる可能性があります。故にMAツールは買えるときに買っておこうというのではなく、何を実現したいのか、課題や目的を明確に定め、導入後に評価できるようにしておきましょう。

その2:サポート体制を考慮せずに契約

 MAツールはサポート体制について十分確認した上で導入しましょう。ベンダーからサポート体制があると聞いていたけれど実はサポートコミュニティー(ユーザー同士で課題を解決し合う掲示板のようなもの)が用意されているだけだったということもあるようです。特に海外製品の場合、英語でコミュニティーの掲示板に質問を投稿しないといけなかったり、日本の商習慣によるローカルな要望を英語で説明しにくかったりすることがあります。また、サポートがあってもツールの使い方のみで、施策の指南はしてくれないケースも多いのです。

 せっかくMAツールを導入しても、思うような運用ができなくては宝の持ち腐れです。そうならないように、導入後のサポート体制については十分確認しましょう。また、販売パートナー(代理店)が提供するサポートもあるので、そうしたサービスも活用して、自社の課題に合った体制が組めるようにしてください。

その3:営業部門とのすり合わせが不十分

 MAツールの導入を担うのはマーケティング部門であることが多いのですが、営業部門と十分にコミュニケーションが取れていないことがあり、これも失敗の原因となっています。

 MAツールを使って見込み客を獲得しても、営業側がその顧客リストを活用しなかったり、獲得した見込み客のリストが営業側の欲しがるそれと定義がずれていたりすれば、せっかくのマーケティング活動が無意味になってしまいます。そうなるとマーケティング部門のモチベーションが下がってしまい、結局ツール自体も活用されなくなりがちです。

 以上3つの失敗パターンを理解した上で、実際にどのMAツールを選べばよいのかを考えてみましょう。

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