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伊藤忠テクノソリューションズ藤岡良樹氏が語る、老舗大手SIerにマーケティングが必要になった理由B2Bマーケティング、今この人に聞きたい(1/2 ページ)

30年にわたりIT系B2B企業のマーケティング支援に携わってきたエキスパートが、マーケティング中心の経営を実践するB2B企業を訪ね、そのチャレンジについて聞く。

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 今回紹介するのは、大企業向け業務基幹システムや大規模ネットワークインフラ構築で豊富な実績を持つ、国内有数の大手SIer(システムインテグレーター)である伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)だ。

 1972年創立という長い歴史を持ち、グループ全体で8500人以上の社員を抱えるB2B企業が取り組むマーケティングとは何か。同社執行役員クラウド・セキュリティ事業推進本部 本部長の藤岡良樹氏と、ITサービスグループ企画統括部 部長代行兼マーケティング課 課長の隅谷 崇氏に話を聞いた。


右からCTC藤岡良樹氏、筆者、CTC隅谷 崇氏

SIerからクラウドサービスプロバイダーへ

 現在、CTCが提供するクラウド部門の責任者を務める藤岡氏は、かつてパイオニアでオーディオの設計を長く手掛けていた。その中で担当したミニコンポの爆発的なヒットにより、社長賞を受賞。工場から本社に移った藤岡氏は、映像機器のプロダクトマーケティングを担当するようになる。

 「企画からモノづくりに携われるのは、すごく楽しかったのですが、本社に異動して世界が広がったことで、コンピュータの世界に行きたいと思うようになったんですよね」(藤岡氏)

 当時はまだITという言葉すらない時代だったが、IT部品の商社や外資系IT企業を経て、1998年にCTCに入社した。2018年でちょうど20年目となる。

 藤岡氏が入社した頃はUNIX全盛期。Sun Microsystemsの「Solaris」の販売推進部隊に入り、Sunの窓口や技術サポートなどを担当することになったという。

 CTCはリセラーとして世界で1、2を争う立場となっていたが、2003〜2004年をピークに、UNIXからLINUXへの移行が起こり始めてからは、藤岡氏はCTCで販売している多くの製品のうち、7、8割を扱う販売推進責任者となった。

 その後、2008年から自社開発のクラウドサービス「TechnoCUVIC(テクノキュービック)」の原型となるサービスの提供を始めた。他社製品の販売・導入を個別に支援してきたSIerから、クラウドサービスプロバイダーへとピボットした瞬間である。

CTCにマーケティングが必要なかった理由

 GoogleやAmazonをはじめとする海外の有力SaaSベンダーに共通するもの、それはカスタマーサクセスに向けたマーケティングコミュニケーションだ。しかし、CTCにおいてはマーケティングの必要性を感じていなかったと藤岡氏は語る。

 「製品販売を中心にやっていた頃は、ベンダーが製品自体のマーケティングをやっていたので、われわれがマーケティングをする必要はありませんでした。たまに新聞や雑誌に広告を出したり、担当部署が個別にセミナーを開催することはしていましたが、“マーケティング”という言葉は社内であまり使いません」(藤岡氏)

 「マーケティングの勉強は、一切したことがない」と言い切る藤岡氏だが、従来のビジネスモデルとの違いや、米国のSaaSベンダーが開催するショーアップされたカンファレンスを体験していたことから、クラウド事業をスケールさせるには、B2Bでもマーケティングコミュニケーションが必須であることは、理解していた。

 「私どもは大型案件を提案して受注するビジネスが主流なので、月単位で少額の売り上げとなるクラウドビジネスは営業的にあまり面白みがない。これからクラウドの時代になるし、(サービスの提供で継続的に収益を生む)リカーリングビジネスもやっていかないといけないと頭では分かっているのですが、営業としてはどうしても取り組みづらいのです」(藤岡氏)


対談全文はビッグビートのオウンドメディア「ニシタイ」(外部リンク)で読むことができる

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