働き方改革、そしてビジネスの成長 マーケティングの可視化が今こそ必要な理由:広告主と代理店それぞれの課題(1/2 ページ)
過重な運用負担に伴う長時間労働やレポート虚偽など、デジタルマーケティングの闇の部分が問題視されるようになってきた。課題を解決する第一歩は「可視化」にある。
運用型広告の代理事業を営むオムニバスとマーケティングインテリジェンス(MI)ツール「Datorama(デートラマ)」を提供するDatorama Japanがセミナーを共同開催した。本稿では同セミナーの中から、トヨタ自動車(以下、トヨタ) 国内営業部 神奈川県地区担当員である平野義孝氏をゲストに招いて行われたパネルディスカッションの内容を紹介する。
広告代理店は「作業」に時間を取られ過ぎている
オムニバスは、トヨタ傘下の販売店やディーラーからそれぞれに広告を受注し、予実管理から入稿、レポート作成業務まで、個別に運用を担当している。オムニバス代表取締役CEOの山本章悟氏によれば、これまでの業務においてはレポート作成業務の比重が重く、施策の熟考に当てる時間を確保できていない状況が続いていた。
クライアント提出用のレポート作成は、それ自体が利益を生み出すことはなく創造性も必要ない。いわば「作業」であるにもかかわらず、そこに多くの時間を奪われてしまう。同じ悩みを抱える担当者は少なくないだろう。
ムダな作業時間を削減し、本来求められている広告配信の最適化業務に集中するために、オムニバスが着手したのが「可視化」だ。具体的には、Datoramaの導入を提案した。MIツールと呼ばれるDatoramaは、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールと異なり、企業が保有するマーケティング関連データを統合し、判断に必要なデータだけをダッシュボードにまとめて可視化する。これにより、広告の表示回数やクリック数、コンバージョン数など、レポートに載せるためのデータを一元的に把握できる。しかもデータはほぼリアルタイムで更新する。
Datoramaを導入し、ダッシュボードをトヨタの販売店と共有することで、レポート作成時間は事実上ゼロにできる。これにより、運用担当者の働き方は大きく変化すると考えたのだ。
運用型広告の世界における過重労働はしばしば指摘されるところだが、もともと広告投資を効率的に配分して効果を最大化することを目的とした業務で生産性の低下が指摘されるのは、本来おかしな話だ。Datorama Japan 代表取締役の布施一樹氏がDatoramaを日本で展開したいと考えた背景にも、この課題があったという。
「日本オラクルからインターネット広告の世界に入って大きなショックを受けたのは、ITを使ったコミュニケーションリテラシーの低さ。ポテンシャルのある業界なのにオペレーションの負荷が高く疲弊している人が多い。人海戦術と長時間労働では持たないとずっと感じていた。Datoramaと出合って、この状況を変えられるツールだと感じた」と布施氏は語る。
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