「引き上げCRM」から「継続CRM」へ、お客さまを飽きさせないために何をしたらいい?:ロジカルに解き明かすEC・通販の成功法則(1/2 ページ)
単品通販におけるCRMは、製品に納得してもらうための「引き上げCRM」と、それを通じてロイヤリティーが出来上がった顧客に行う「継続CRM」に大別されます。今回は後半部分であるこの継続CRMについて説明します。
前回「広告で獲得したお客さまに製品の良さを納得してもらうには?」では、新規顧客をリピート顧客へと引き上げる「引き上げCRM」について述べました。新規獲得したお客さまは、そのままでは製品理解が不十分なことが多いものです。そこで、まずはお客さまが製品価値をしっかりと引き出せるまで、十分な理解を高める必要があるというわけです。広告から一体で考える引き上げCRMの重要性がお分かりいただけたと思います。
では、十分に製品への理解レベルが高まったお客さまに対しては、どのように接していけばよいのでしょうか。
お客さまは十分に納得しているか
これまでの連載の内容を踏まえれば、広告から引き上げCRMまで一連のコミュニケーションにより、お客さまがしっかりと製品力を実感できるよう丁寧に導くことができているかと思います。その製品は既にお客さまにとって欠かせないものになっているでしょうから、長期継続への意向も形成されており、ちょっとやそっとでは揺らぐことのない、ロイヤリティーの高い状態になっています。
しかし、コミュニケーションを尽くしても、引き上げ状況が十分とは言えない場合もあります。それには2つのケースがあります。1つは、目標が高すぎる場合、もう1つはそもそも製品力が追い付いていない場合です。
例えば、あるサプリメントにおいて、製品研究時の結果(エビデンス)として、継続利用による効果の実感率が50%だったとしましょう。その場合、リピート引き上げ率の目標として50%以上を設定するのはそもそも無理があります。販促で目指している訴求が、製品力そのものと乖離(かいり)していないか、チェックしてみた方がいいでしょう。製品力のポテンシャル以上にビジネスは成長しません。製品パフォーマンスが足りないのなら、それは製品課題であって、販促課題として対処すべきことではないのです。
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