凌雲閣の遺構発見に沸く浅草、人と人を小さなメディアがつなぐ:【連載】浅草ソーシャルおじさんが教える、小さな組織のメディア運営 第4回(1/2 ページ)
凌雲閣(浅草十二階)遺構発見の話題で盛り上がった浅草。現場となったビルの建築主から浅草観光連盟の公式サイト「365ASAKUSA」に連絡がありました。
2018年2月9日、大正12(1923)年の関東大震災で倒壊した凌雲閣(りょううんかく)の基礎部分が浅草2丁目のビル工事現場で見つかったというニュースが大きく報じられました。
凌雲閣は1890年(明治23年)に竣工した、当時としてほ最高の高さを誇った建築物で、日本で初めて電動式エレベーターが備え付けられたことでも有名です。12階建てであることから「浅草十二階」とも呼ばれています。明治大正期の浅草のランドマークであり、『帝都物語』をはじめ、映画やアニメ、漫画などさまざまな作品に登場することから、当時を知らない若い人の間でも知名度は高いようです。
私がPRを担当する浅草観光連盟事務局にもいち早く遺構発見の連絡をいただきましたので、早速現場を取材して写真を撮り、浅草観光連盟の公式サイトである「365ASAKUSA」および各ソーシャルメディアを使ってこの情報を投稿しました。
さまざまなSNSを通じて凌雲閣のトピックスが拡散
この連載の第1回「『インバウンド』で注目される浅草、訪日外国人観光客で賑わう理由とは?」で述べたように、私たちは365日ほぼ毎日、浅草のトピックスを「今日の浅草」としてFacebokに投稿しています。投稿は365ASAKUSAに自動で再配信され、さらに多言語に翻訳されます。そして、この情報が掲載されたページのリンクをTwitterとGoogle+でも発信しています。365ASAKUSAを中心に、複数のSNSを組み合わせてコンテンツを収集し、拡散するエコシステムが出来上がっているのです。
今回はビッグニュースだけあって、各SNSでも、今までのどの投稿よりも反響がありました。特にTwitterでは、ほんの数日でいいねが9500を超え、リツイートも8300を超えました。
また、コメントやリプライツイートで、さまざまな意見が書き込まれました。「文化遺産として保存すべき」「しっかり調査を行うべき」など、浅草でも今まで正確な場所が特定できていなかった歴史的建造物への畏敬の念が込められた真摯(しんし)なコメントが多く寄せられています。今回の遺構発掘が凌雲閣全体の位置を特定する鍵となるのではと期待するコメントもありました。
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