SalesTechのこれから――今後、マーケティング/営業担当者に求められる5つのスキル:【連載】SalesTechの時代 最終回(1/2 ページ)
前2回で「なぜ今、SalesTechなのか」「SalesTechの領域と主要ソリューション」について書きました。それを踏まえ、最終回となる今回は「SalesTechの今後の展望」について解説したいと思います。
第2回「SalesTech最前線 世界の主要サービスを一気見」で紹介した通り、SalesTechの主要ソリューションの中には人工知能(AI)を活用したものが既に複数あります。このようなソリューションの提供は今後加速すると思われます。具体的には、顧客の動きを予測し、マーケティング担当者や営業担当者へ最適なタイミングやアプローチ方法を提示するものが増えていくでしょう。将来的にはマーケティング担当者や営業担当者の役割も変わってくると考えられます。
現在の営業活動はまず、マーケティング担当者が見込み客を獲得し、営業担当者へ見込み客のスコア変動を連絡するところから始まる流れが一般的だと思います。次に営業担当者はメールの文面やトークの内容を検討し、ターゲットへアプローチします。そしてアポイントメントが取れたら商談準備(営業ツールの準備)を整えて商談に臨み、クロージングに至るわけです。
しかし、今後は図2のように、営業プロセスの多くの部分をSalesTechソリューション群が半自動で行うようになるでしょう。
まず、マーケティング担当者は、SalesTechソリューションの推奨する方法で見込み客を獲得します。次にSalesTechソリューションが過去の行動履歴から見込み客の動きを自動で予測し、営業担当者へアプローチのタイミングを知らせるようになります。その後、営業担当者はSalesTechソリューションが勧める方法でターゲットへアプローチし、商談を進め、クロージングをします。つまり、SalesTechソリューションが営業プロセスの多くの部分を担うことになると考えられます。
こうした変化は遠い将来の話というわけではありません。とある銀行では既に「IBM Watson」を活用して、コールセンター業務を半自動化し始めています。顧客との電話内容からAIが参考となる回答情報を自動で探し出し、受電者の回答を支援しているのです。
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