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「母の日」だけ感謝をするのはやめよう――調査で浮かび上がる“名もなき家事”の実態週刊「調査のチカラ」

5月の第2日曜日は母の日。2017年のお母さんたちの本音を調査データから探ります。

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 母の日の起源は20世紀初頭の米国にさかのぼるといわれます。母に先立たれた少女が亡き母を敬う気持ちから「母親のための祝日」を設ける運動を始めたのがきっかけだとか。日本では製菓会社の森永が提唱したことで認知が広がり、1937年には「第1回 森永・母の日大会」なる大規模イベントが開催されています。社会貢献を目指すマーケティング活動を意味する「コーズマーケティング」や「ソーシャルマーケティング」といった概念が生まれるはるか以前から、そうした活動を行っていた企業があるということですね。

 消費のボリュームゾーンでもあり家庭内の購買意思決定に絶大な影響力を持つ世の中のお母さんは、多くの企業にとって大切なお客さまでもあります。母の愛の深さとそのインサイトについて、無関心でいてはいけません。というわけで、今回は調査まとめサイト「調査のチカラ」の9万件超のストックから、母の日に関する調査データをピックアップしました。

2017年「母の日」、平均予算は3634円

 母の日に何を贈るか、悩む方も多いのではないでしょうか。マクロミルが運営する調査サイト「ホノテ」では、「母の日」に関する調査を実施しました。20〜60代の男女1000人に、母の日に「自分の母親に対して何かしたいと思っているか」尋ねたところ、最も多かった回答が「プレゼントを贈りたい」(56%)でした。具体的に贈りたいものの1位は「花束」(40%)。2位が「お菓子・スイーツ」(35%)、3位が「服」(12%)という結果でした。また、母の日に何かしたいと考えている人にその予算を聞いたところ、平均は3634円でした。一方、子どもがいる女性を対象に、母の日に「子どもにしてほしいこと」を聞いたところ、「感謝の言葉を伝えてほしい」(29.8%)、「一緒に過ごしたい」(26.8%)といった声が上位に挙がりました。モノよりハート。もっとも、贈る側にしてみれば、「ありがとう」を形にしたいという思いもあるでしょうから、プレゼントにさり気なくメッセージを添えて、日頃の感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょう。

腰痛ママが痛みを感じるのは「育児をしているとき」が90%

 ワンオペ育児に待機児童問題と、お母さんにかかる負荷の重さがあらためてクローズアップされる昨今ですが、厳しい子育て環境で腰痛に悩むママも少なくないようです。第一三共ヘルスケアが2016年10月に実施した「“子育てママ”の全国実態調査」によれば、0〜2歳の子どもを持つ女性の約7割が腰痛に悩んでいることが分かりました。同社ではこれを受けて、腰痛に悩む「腰痛ママ」を対象にその実態を調査しました。「腰痛を感じるのはどんなときか」聞いたところ、「育児をしているとき」が90%、「家事をしているとき」が73%と、家事以上に育児が腰に負担になっていることが分かります。また、「腰が痛いときの気持ち」を尋ねると、「つらい」(63%)、「重荷を背負った感じ」(50%)、「憂鬱」(44%)と、やはりネガティブな気持ちになるようです。子育て支援の施策や男性の育児休暇取得奨励といった社会的な取り組みもさることながら、子育て中女性のニーズをくみ取った製品やサービスの提供で、企業にできることはまだまだありそう。マーケティングはお母さんを救えるでしょうか。

家事負担、夫の「気持ち」は3割でも「実働」は1割

 大和ハウス工業は、全国の共働き夫婦を対象に「家事」に関する意識調査を実施しました。夫と妻それぞれに家庭での家事負担の割合を聞いたところ、妻の認識では「夫1割、妻9割」(37.3%)がトップ。次が「夫2割、妻8割」(22.3%)で、「妻10割」(17.7%)と続きました。これに対し、夫の1位は「夫3割、妻7割」(27.0%)。妻の家事負担の方が多いという自覚はありつつも、妻が思うより「自分はやってる」と考える夫が多く、夫婦間の意識の差が浮き彫りになりました。また興味深いのが、一般的にどこの家庭でもやっている家の仕事30項目について「家事と思うか」を聞いた結果。18項目で妻の認識が高く、「名もなき家事」の存在が明らかになりました。具体的には「トイレットペーパーがなくなったときに買いに行く」を家事と認識する妻は83.0%であるのに対して夫は67.3%、「靴を磨く」は妻57.7%に対し夫46.0%、「町内やマンションの会合に出席する」は妻56.7%に対し夫46.7%など。家事の平等はいまだ遠い現実のようです。大和ハウス工業では「母の日だけ感謝をするのはやめよう」と、家族で家のことを話すことを提唱し、「SHARE HEART 家事をシェアすることは、 想いをシェアすること」と題したスペシャルムービー(外部リンク)を公開しています。お母さんの大変さはお母さんになってみなければ分からない部分もあるでしょうが、他の家族も想像力を働かせることは大事ですね。


「SHARE HEART 家事をシェアすることは、想いをシェアすること」(大和ハウスグループ YouTube公式チャンネル

高齢化社会の「母の日」の形

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