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第5回 IOTで変わる私たちの暮らし――ヒト/モノ/データの新しいつなぎ方【連載】IOT(Internet of Things)時代のブランドエクスペリエンス(2/3 ページ)

ネットワークに接続されたデバイスが至るところにあるからといって、すぐに私たちの生活が便利になるわけではありません。「ユーザーにとってのよい体験」という利用者側の視点でさまざまなサービスを整備していかなくては、せっかくの技術も宝の持ち腐れになってしまいます。今回は、IOTとヒトおよびデータのつながりを設計する「ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン」をテーマにお話をします。

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IOTのある暮らし

 インターネットの登場によって、コミュニケーションの方法は大きく変わりました。メールをはじめ、TwitterやFacebook、LINEのようなサービスで、人と人だけでなく、人と企業が常につながり、情報がどんどん生み出されては共有されています。IOT時代のインターネットでは、モノもどんどん情報を生み出し、「人のインターネット」とつながりますが、問題は、モノが発したビックデータによって、ヒトは「どのように暮らしが便利になるのか/豊かになるのか?」というところです。連載してきた記事の中で、IOT時代のブランドエクスペリエンスは、「スクリーンからフィジカル」へ、「クローズからオープン/シェア(二次創作)」へシフトしているとお伝えしてきました。IOTの登場によって、コミュニケーションの設計方法は複雑になりつつありますが、ユーザーに対して「フィジカル」「オープン/シェア」という体験を提供するためには、IOTをユーザーとブランドとのタッチポイントとして捉え、ヒト/モノ/データをどのようにつないでいくかを考えてみる必要があります。

人をサポートするIOT

 今、IOTをいちばん身近に感じることができるのは、ユーザーの日常生活をサポートする製品やサービスではないかと思います。健康管理のために「nike+」やJawboneの「UP」などのウェアラブルデバイスを使っている方は多いと思いますが、「Withings Aura」もそんな製品の1つです。シーツの下に敷く眠りセンサーと照明、これらを制御するアプリで構成されるシステムによって、ユーザーに最適化された心地よい眠りを提供します。これまでも、起床時間に合わせて照明をコントロールする製品や、目覚めやすいタイミングで起してくれるスマートフォンアプリはありましたが、単体で機能していたものがつながることによって、睡眠の質が高められるのです。

Withings Aura


 家中の電化製品が自律的に作動する風景はいかにも未来的なイメージですが、「Ninja Block」はそんな生活を実現するためのものです。家中にとりつけられたセンサーが、人やペットなどの動きを感知し、照明やエアコンの無駄遣いを通知したり、オン/オフを自動で行います。また、これらを制御するためのAPIを使うことで、自分の生活にマッチしたアプリを作ることも可能です。Philipsの「Hue」と連動させられることは発表済みですが、同じようにAPIを公開している「Withings Aura」と連動させることができれば、「朝起きたら朝食ができあがっている」という生活も夢ではないかもしません。

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Ninja Block


 AuraやNinja BlockのようなIOTデバイスが単体で存在するのが現状のIOTシステムのあり方だと思いますが、将来的には、個別のIOTデバイスが相互に接続されることになるでしょう。その時、私たちのコミュニケーションはどのように変化しているのでしょうか。それはつまり、人と人だけではなく、人と機械、機械と機械というさまざまなコミュニケーション主体のあり方を考えることです。

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