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第1回 届けたい時、届けたい人に、届けたい情報を。ネットワーク化で街中の広告が変わる【連載】デジタルサイネージが変える広告の未来

注目されるデジタルサイネージ市場。これからの10年、果たしてデジタルサイネージ広告はインターネット広告が辿った成長曲線を描けるのだろうか?

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デジタルサイネージ市場は拡大傾向に

 昨今、街中で目にすることが増えたデジタルディスプレイ。従来ならば看板やポスターであった場所に新しくデジタルディスプレイが設置され、動画や静止画スライドショーなどさまざまな広告が流れているのを見たことがある方も多いのではないだろうか。屋内外を問わず街頭や店頭、商業施設、交通機関などの公共スペースに設置され、電子的な情報表示を行うこれらのシステムを総じてデジタルサイネージと呼ぶ。

 このデジタルサイネージの市場が今、加速度的に拡大している。富士キメラ総研が2013年5月に発表した市場調査によると、2012年のデジタルサイネージを取り巻く市場は822億円(前年比111.1%)で、2020年には3.1倍の2520億円まで拡大すると予測している(表:国内デジタルサイネージ市場)。

2012年(億円) 前年比 2020年予測(億円) 2012年比
システム販売/構築 471 107.5% 590 125.3%
コンテンツ制作/配信サービス 138 116.0% 330 2.4倍
デジタルサイネージ広告 214 116.9% 1600 7.5倍
合計 822 111.1% 2520 3.1倍

 しかもこれは2020年の東京オリンピック開催が決定される前の市場調査に基づくものであることから、今後のデジタルサイネージ市場予測はさらに膨れ上がることが予想される。中でも注目したいのはその内訳である。2012年には26%(214億円)だった(デジタルサイネージの)広告費が、2020年には全体の64%(1600億円)を占めるまでに拡大するという。金額にして7.5倍である(表:国内デジタルサイネージ広告市場)。

2012年(億円) 前年比 2020年予測(億円) 2012年比
ビルボード(屋外ビジョン) 65 118.2% 120 184.6%
交通広告 107 118.9% 590 5.5倍
インストメディア 42 110.5% 890 21.2倍
合計 214 116.9% 1600 7.5倍

 この予測の背景には、従来の看板やポスターのデジタルサイネージ化への移行が挙げられるだろう。現在でも円安の影響で海外からの来訪者は増加しており、それに伴って都市部のインストアメディアは他言語対応を迫られている。東京オリンピックを見据えて今以上の多言語対応は進み、それがデジタルサイネージの導入に拍車を掛けることは想像に難くない。

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