コンテンツは顧客を育てるか――コンテンツ連動型ターゲットマーケティングの実証実験結果を検証:パワーコンテンツ連動型アトリビューション・マネジメントプロジェクト(1/2 ページ)
「ブランド認知」〜「ニーズ顕在化」〜「アクション」までのカスタマージャーニーの質的変化を詳細に分析すると、コンテンツが消費者のブランド認知に及ぼす影響の大きさが浮かび上がってきた。
広告だけでは、無関心層/潜在層にアピールしきれない?
2013年7月30日、東京 飯田橋で「パワーコンテンツ連動型アトリビューション・マネジメントプロジェクト」の報告会が開催された。このプロジェクトは、従来の広告重視の効果分析ではなく、コンテンツが消費者に及ぼす影響を測定して、「ブランド認知」から「ニーズ顕在化」「アクション」に至るカスタマージャーニーの質的変化の分析を目的にしたもの。昨年10月に以下のデジタルマーケティングを専門とする4社により設立された。
- デジタルインテリジェンス:本プロジェクトの全体統括と戦略立案を担当
- インテグレート:情報クリエイティブの企画、パワーコンテンツの設計/制作を担当
- アタラ:広告/コンテンツのアトリビューション分析を担当
- 日本ビジネスプレス:アトリビューション分析のためのマーケティングプラットフォーム、メディアプラットフォームの提供
アトリビューション分析とは、コンバージョンに至った各経路の貢献度(アトリビューション)を分析すること。一般的なアトリビューション分析では、リスティング広告やバナーなどのディスプレイ広告、リターゲティング広告、またはタイアップ広告の貢献度を洗い出し、最適な広告戦略立案や予算配分を支援することを目的としているが、本プロジェクトでは純粋な記事コンテンツも対象とし、広告/コンテンツを含めた包括的なアトリビューション・マネジメントを指向した。その実証モデルとして大和ハウス工業(以下大和ハウス)が本プロジェクトに参加し、今年始めに同社の広告およびコンテンツの分析を行ったという。
大和ハウス デジタルメディア室長の大島茂氏は「従来からパブリシティを含めたアトリビューションに関心があり、参加を決めた」と話す。また本プロジェクト全体統括を担当したデジタルインテリジェンス 代表取締役の横山隆治氏は、「現在のネットマーケティングは、ニーズが顕在化したオーディエンスの“刈り取り”に偏重しており、顧客育成がおろそかになっている。とはいえ、無関心な顧客層や潜在層を、顕在層へと育てていくには、広告戦略だけでは限界があるのも事実。この空白部分において、コンテンツがいかに必要なのかを明らかにしようと考えた」と語る。
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