MITビジネススクールが提唱するソーシャルメディアキャンペーンの成功方法論:インフルエンサーの活用方法
今や、マーケティング戦略の中で、ソーシャルメディア活用は外せない要件となっている。その一方で、どのような戦略を打てば、マーケティング効果が上がるのか、悩んでいるマーケターも多いはずだ。
MITのビジネススクール・MIT Sloanが発行しているMIT Sloan Management Reviewでは、売上/ブランド認知度/ROIすべてを向上させる効果的なソーシャルメディアマーケティングの方法論を紹介している。2012年秋、同誌で発表された“Increasing the ROI of Social Media Marketing”(「ソーシャルメディアマーケティングのROI向上」)と題する論文に出ている7ステップのフレームワークだ。これはソーシャルネットワークでブランド・アンバサダー(ブランド大使)になりそうなユーザーを募集し、良いクチコミを広めていく方法論で、2009年1月から30カ月をかけ、同校の研究チームが開発したもの。インド国内で12の直営店(注:論文執筆時の店舗数。2013年4月現在、15店舗を展開)を持つフレーバーアイスクリームのHokey Pokeyのソーシャルメディアマーケティング実証実験から引き出した方法論だ。
このフレームワークを簡単に説明すると、自社に有利なWOM(Word of Mouth:原文では“WOM”となっているが、本記事では以下「クチコミ」と訳す)を広めてくれる潜在的なブランド・アンバサダーをリクルートし、クチコミを広めるキャンペーンを設計して、その影響力を測定していくというもの。ちなみに研究チームによると、「小規模展開している企業向けの方法論」というが、実施するには、ある程度マーケティング分析スキルがある専門スタッフがいる方が望ましい。また、この実証実験が始まった2009年頃から比べると、FacebookやTwitterのプライバシーポリシーが厳しくなり、個人情報の取得が大幅に制限されているため、この論文に出ているとおりのやり方を踏襲するのは難しいという。
だが本論文の方法論は、ソーシャルメディアマーケティングにおいて、重要なファクターとなるインフルエンサーの発掘や、戦略策定について参考になる。以下、いくつかポイントを抜粋しよう。
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