Facebookの新サービス「Partner Categories」は中小企業の味方になるか:低コストでターゲット広告
今月10日にFacebookが発表した新しい広告サービス「Partner Categories」。外部のデータプロバイダー数社と協業し、Facebookユーザーの購買履歴から、「生鮮食品を好んで購入する人」「バイクに乗ることが好きな人」など500超のカテゴリーに分類し、企業はそのカテゴリーにターゲットを絞って広告を配信できるサービスだ。
特徴としては、郵便番号を基にユーザーの居住地域を絞っていること。これにより、実際に来店/購入しそうな見込みの高いユーザーに、効果的に広告を配信できる。Partner Categoriesは、まず米国内の広告主をターゲットにローンチされており、現在同国では最も注目度の高い広告といえるだろう。
1週間後の4月17日には、早速Partner Categoriesについての記事がClickZ.comに掲載されている。“Small Business Wins Big With Facebook's New Targeting”(「中小企業がFacebookの新ターゲット広告で勝つ」)だ。
記事によると、中小企業にとってFacebookのPartner Categoriesを利用するメリットは2つある。1つは、データサービス企業から、高額なデータを購入せずとも効果的なターゲット広告が可能になること。もう1つは、入札システムではないので、誰でも好きなカテゴリーに広告出稿できることだ。当然、「人気のあるカテゴリー」というのは出てくるが、それによって広告レートが変動するだけであり、入札のように莫大な金額を費やさずに済む。Facebookにとっても、広告主が増えればそのまま収入が増えるというメリットがある。
これまで、アドワーズにしろ、データプロバイダーからのリスト購入にしろ、中小企業が効果的なターゲット広告を展開するには、コストの高さがネックだった。Partner Categoriesにより、低コストでターゲット広告が可能になったことで、中堅・中小企業の広告展開がより加速するとみられている。
Facebookの説明によると、広告主はFacebook側が定めたカテゴリーから好きなものを選び、そのカテゴリーに属する人数と特徴をチェックして出稿先を選ぶようになっている。当然ながら、ユーザーの個人情報にはアクセスできない。広告を出稿すると、該当するユーザーのニュースフィードの中央に広告が表示される仕組みだ。
本記事は、ClickZ.comの記事“Small Business Wins Big With Facebook's New Targeting”(「中小企業がFacebookの新ターゲット広告で勝つ」)を加筆編集した記事です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 米国ソーシャル広告収益は2017年には110億ドルに達する見込み――米BIA/Kelseyが発表
地域特化型のマーケティングコンサルティングを営むBIA/Kelseyは2013年4月10日、2017年までに米国のソーシャル広告収益は110億ドルに達するという調査結果を発表した。なお、本調査ではソーシャル広告を「お金を払って購入するソーシャルネットワーク上の広告フォーマット」と定義している。 - Facebook、新しい広告サービス「Facebook Exchange」のテストを開始――ユーザーのニュースフィード上にターゲット広告を配信
Facebookは3月27日、昨秋発表した新広告サービス「Facebook Exchange」のアルファテストを実施したことを発表した。 - 第1回 CTRの真実――そのクリックは「良質なユーザーの良質なクリック」ですか?
「CTRを高めること」+「コンバージョンレートを上げて、CPC単価を向上させること」――。良質なユーザーの良質なクリックをどれだけ多く獲得するか。スマートフォンメディアで収益を拡大するにはこのポイントを忘れてはいけない。 - クーポンがもらえるiPhone用アプリ「Road+」を提供するダイマーズラボ、大手小売カクヤスと協業してO2O連携を開始
歩くだけでクーポンがもらえるiPhoneアプリ「Road+」を展開するダイマーズラボは4月12日、アルコール・清涼飲料水の低価格店舗を営むカクヤスと協業し、飲料メーカーから提供されるサンプル商品をRoad+で獲得するO2O連携サービスを開始した。