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第3回 人事部長がNo.1マーケター? 全社員がマーケターになる時代の顧客接点共有【連載】営業を強くする名刺管理(1/2 ページ)

部署や拠点を超えて名刺を共有することで営業/マーケティングを強化する事例や概念をご紹介します。人脈、言い換えれば、全社的な顧客接点を一元的に共有する仕組みを構築することで、クロスセル/アップセルに戦略的に取り組むことができるのです。

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 「第2回 名刺データベースから売り上げを上げる2つの理由と3つのポイント」では、名刺データベースは他の顧客データベースよりも売り上げアップのために活用しやすいこと、また、そのアプローチ方法にはポイントが3つあるとお伝えしました。

 名刺データベースは顔の見えるデータベースです。営業が一度商談やヒアリングをした顧客の名刺であれば、顧客のビジネスモデル/予算感/キーマン情報といった事情にも詳しくなるはずです。また、名刺に記載される情報は、人事異動や転職のたびに新しくなるため、最新で正確です。そういった名刺データベースに対して、アプローチする際には、タイミング/コンテンツ/差出人の3つのポイントに留意することが大事と述べました。

 今回は、部署や拠点を超えて名刺を共有することで、営業/マーケティングを強化する事例や概念をご紹介します。

人事部長がNo.1マーケターだった――バックオフィスからの営業支援――

 弊社では名刺データベースを活用して定期的にメールを送り、アポイントを増やす試みをしています。毎回、業界や役職など、テーマ一つを決め、テーマに関連する名刺をリストアップし、競合や既存のお客様などを除外して、メール配信をしています。

 2012年8月には、人材業界を攻めることを目的に、名刺メール企画を実行しました。会社にある人材業界に関する名刺を集めた結果、営業部、コンサルティング部、マーケティング部を含めたフロントメンバーの名刺が347枚、その他、経営管理を含むバックオフィスの名刺が273枚集まりました。こうして集まった名刺リストに対して、『自社サービスの人材業界の導入事例をご紹介させてほしい』、という旨のメールを配信しました。

 その結果、衝撃的だったのがメールに対するアポイント率です。営業部の名刺経由で獲得できたアポイントが7件だったのに対して、バックオフィスの名刺からは13件のアポイントを獲得できたのです。その差はなんと2倍です。その中で、特に人事部長の持つ名刺に対して配信したメールから、多くのアポイントを獲得できました。


1度のメール配信から20件のアポイントメントを獲得。バックオフィスの名刺からの案件掘り起こしに成功

 なぜ、人事部長の名刺からこのような多くの成果が出たのか。大きく2つの理由があったと思っています。

 1つ目の理由は、メールの送り主が弊社人事部長/取締役だったことです。弊社と接点のあるエージェント様にとっては、重要な決裁者であるため、簡単にメールを無視することはできなかったのはないでしょうか。もう1つの理由は、 弊社の人事部として、採用に力を入れるべく、多くのエージェント様との打ち合わせを行なっていたことです。タイミングという面もメール配信が成功したポイントだったようです。

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