第1回 広告費の無駄な半分を解消するためには、発想の転換が必要:【連載】コンテンツマーケティングとは何か?(1/2 ページ)
「広告に使っているお金の半分は無駄になっている。問題は、どちらの半分かが分からないことだ」――。ジョン・ワナメーカーが示した広告界の課題は100年以上経っても解決していないようです。発想そのものを変えて、デジタル時代に即したマーケティングにシフトする時期に来ているのではないでしょうか? そのヒントを与えてくれるのがコンテンツマーケティングという考え方です。
これからのマーケティングに必要な3つの要素
コンテンツマーケティングとは、一言でいうと「Like a Publisher(企業がパブリッシャーのように振る舞おう)」という考え方です。もう少し詳しくいうと「見込み客が欲する情報(コンテンツ)を企業自らが発信することにより、信頼を獲得し、段階的に購買につながる行動を引き起こすための考え方」といえます。今回は、今なぜコンテンツマーケティングが注目されているのかについて、3つの視点で説明したいと思います。
1.ユーザーの情報ニーズに応えられているか?
Alexaのグローバルランキングのトップ10を見ると、GoogleやFacebook、YouTube、Yahoo!、Baiduなどが常にランクインしていることからも分かるように、ユーザーは何らかの形で情報を探していることが分かります。では、適切な検索結果が得られているといえるのでしょうか? 実はそうとは言い切れないようです。例えばジュースを作りたいと思い立ったとします。その際、以下のような検索をする人も多いのではないでしょうか。
ステップ1)「ジュースの作り方」で検索する
この結果、ジューサーとブレンダーというものがあることを知ります。
ステップ2)ジューサーとブレンダーの違いを知りたくなって「ジューサー、ブレンダー、違い」という検索ワードで検索する
この結果、自分の欲しかったのはブレンダーだと知ります。
ステップ3)「ブレンダー」で商品検索をする
上記の各ステップの検索結果を見てみると、非常に興味深い事実が分かります。ステップ1と2の検索結果は、質問サイトやAll Aboutなどの情報サイト、個人ブログが多いのですが、ステップ3になると、通販サイトや企業サイトが現れるのです。ユーザーが商品に関心を持ったばかりで漠然と質問している段階では、質問に答えてくれるのは質問サイトか、知識のある個人なのです。まあ、それがインターネットだし、それでよいじゃないかという考えもあると思いますが、コンテンツマーケティングでは、ユーザーの情報ニーズに応えることを是とし、ステップ1や2の段階から積極的に情報を提供するようにしています。こういった姿勢を「Trusted Advisor(信頼されるアドバイザー)」と呼んでいます。
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