第5回 拡張現実の技術を導入するための手順:【連載】ARをマーケティングに応用する(1/2 ページ)
拡張現実の技術を利用するにはどのような用意や手順が必要になるのだろうか。プラットフォーム選びから公開までの手順を紹介する。
まずはプラットフォーム
さて、今回は実際にARを導入するための手順や方法について説明しよう。
私がARに関わり始めた数年前は限られた技術しか利用できず、またそれらを取り扱っている開発会社やサービス提供会社も極めて少なかった。そしてARが比較的安価に短期間で利用できるプラットフォームは、世界を見回しても簡単に数えられる程度であった。今ではかなりの数の技術やプラットフォームが出現し、取り扱い企業も雨後のタケノコのように増え続けている。
専用アプリならまだしも、汎用的なアプリが統一化されないことについては、お客さまらもよく質問される。「いろいろあって、どれを選んだらよいのか分からない。利用者も分からなくなってしまうのではないか?」という内容だ。
このような状況であるため、ARを利用したいユーザーは、どの会社に、何を、どのように相談したらよいのか、また自社では何をいつまでに用意したらよいのか、スケジュールはどうなるのかなどが分からなくなってきている。提案内容や費用を比較検討するために3社に相談してみたら、どの会社からも同じARプラットフォームが提案されたということも少なくないだろう。
「カタログ連携のARを実現するために相談してみたら、位置情報系のARしか取り扱っていなかった」「パソコン向けだった」「スマートフォン向けの案件なのにAndroidにしか対応していない技術だった」「予算がないから安いところに頼んだら、全く違うイメージで作られてしまった」ということもあるだろう。
さて、簡単にまとめると導入までの流れは下記の通りである。クリエイティブ、アプリケーション開発などとも関係することがあるため、複合的な知識が必要となる場合も少なくない。「ARを導入する際の基本プロセス」も参考にしていただきたい。
- 企画をまとめる
- AR技術やARプラットフォームを検討する
- 業者への相談と選定
- スケジュール、費用の確認
- シナリオや仕様を確定する
- コンテンツを準備して依頼業者へ提供する
- AR設定状態、あるいはARアプリケーションのテスト
- 公開準備と公開
これは主にスマートフォンを対象とした導入手順だが、PC向けのARでもある程度適用できる。次ページからの説明が、少しでもARを導入する際の参考になったら幸いである。
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