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第4回 キャンペーンマネジメント――メールマーケティングのレベルを上げる【連載】メールマーケティングの最前線(1/2 ページ)

顧客の新規獲得がかつてほど容易ではなくなった現在、既存顧客からの売り上げ増を図るため、メールマーケティングにおけるキャンペーンマネジメントが改めて見直されている。それは、メールマーケティングの“レベルを上げる”考え方である。

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キャンペーンマネジメントシステムとは

 現在、消費者が商品を購入する際の手段は、店頭での購入以外にECサイトでの購入がすでに一般化しています。ECサイトといっても、PC以外にモバイルでの購入も可能であり、さらには手段のみならず商品自体においても選択肢は多く、比較対象に従来は競合しなかった別カテゴリの商品が含まれる場合もあります。購入プロセスの中で消費者が得る情報量も非常に多く、これだけを見ても、マーケターにとっては非常に読みづらい世の中になったと言えます。

 そんな中、メールマーケティングにおいては、「(1)より多くの情報をターゲティングに活用すること」「(2)多様化されたニーズや嗜好性などに対し、できるだけきめ細かなアプローチを採ること」「(3)施策を速いサイクルで検証/改善できるようアプローチのあり方を見直す」といったことが重要になっています。つまり、単に施策内容を変えてみるということではなく、根本的な取り組み方から見直していく必要があるということです。では、どんな風に? そこで登場するのが、今回のキーワードである「キャンペーンマネジメント」という考え方です。

 キャンペーンマネジメントを実現するために「キャンペーンマネジメントシステム」と呼ばれる仕組みが存在しますが、よく「マーケティングオートメーション」や「マルチチャネルコミュニケーション」といったキーワードがその特徴として打ち出されています。

 簡単に概要を説明しますと、企業が保有するさまざまなデータソース(顧客マスターや受注データ、あるいは、Webのアクセスログやメールのリアクションデータ、レコメンド結果のデータなど)を集約し、それらのデータを横断した抽出条件(シナリオ)を設定することができ、その条件に適合する対象へのメール配信を自動化させられる、というものです。これにより、非常にきめ細かなメールマーケティングを実現することができます。例えば、こういったシナリオです。

 「これまでの購入実績は多いが、最近はあまり購入していない人で(受注データより)」、ただ、「最近でもサイトへのアクセス履歴はあり(アクセスログより)」、「メールの開封やクリックも比較的良好で、かつ、ここ1週間はあまりメールを受け取っていない人(メールのリアクションデータより)」を定期的に抽出し、過去の購入商品に基づくレコメンド商品をメールでオファーする、といった具合です。

 ちなみに、キャンペーンマネジメントの「キャンペーン」という言葉から、セールなど企画モノの、いわゆる「キャンペーン」を実施するための仕組みという風に捉えられがちですが、定常的に配信されるメール配信も含め、前に触れたような「抽出条件設定によって作られたシナリオ」のことをキャンペーンと呼んでいるのであって、「キャンペーンセールのキャンペーンとは違う」ということにご注意ください。

 このようにキャンペーンマネジメントシステムは主に、より高度なメールマーケティングを実践するために活用されますが、ある条件に適合する対象にはメールを、一方、それ以外の対象には郵送のDMを送るといったように、対象ごとのコミュニケーションチャネルの最適化が実現できるというのも大きな特徴の1つであり、それが「マルチチャネルコミュニケーション」と謳(うた)われる所以です。例えば、カタログ通販では、EC化が進む中カタログにかかるコストの効率化を図ることが重要なテーマの1つだと思いますが、「メールを受信し、Webで購入している人には、あえてカタログの郵送をしない」といったコントロールが行えます。

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