第3回 クリエイターを起点に人為的にバズを起こす、「二次創作」という新手法:【連載】ちょっと気になるWebキャンペーン(1/2 ページ)
二次創作がWebキャンペーンの手法として確立されつつある。ファンと一緒にブランド像を作り上げられること、バズを人為的に起こせることが「二次創作」人気の理由として挙げられる。デンマークのエレクトロニックポップバンド「Splees United」やPerfumeから、「二次創作」という次世代のプロモーション手法を考える。
独自のミュージックビデオを「二次創作」できる
Nokia Danmarkが高画質カメラ機能搭載のWindows Phone「Lumia920」をプロモーションする目的で、キャンペーンサイト「Open Song Project」を立ち上げた。
同サイトでは、デンマークのエレクトロニックポップバンド「Splees United」が新曲「Hibernation」を演奏する姿を、Lumia920で撮影し、収めた16の映像クリップを組み合わせて制作したミュージックビデオが公開されている。
それだけではない。このサイトの一番の特徴は、ユーザー自身がそれらのクリップを自由に再編集し、独自のミュージックビデオを「二次創作」できることだ。2013年1月10日時点で約800のミュージックビデオがユーザーの手によって制作、投稿され、最も人気のあるものは1450を超える票と、2000を超えるビューを集めている。
また、世界でその日最も優れたWebサイトを決める人気サイト「TheFWA」では、クリエイティブ業界界隈のオーディエンスから“brilliant!”“The best!”などの賞賛のコメントが付き、2013年1月2日の“SITE OF THE DAY”に選ばれるなど、高く評価されている。
Splees Unitedのようなアーティストと呼ばれる人たちは、著作物のコントロールが求められる存在。自らの素材をWeb上で配布すると、不特定多数のWebユーザーに模倣やサンプリングをされ、姿形さえ変えられた上で流通してしまうおそれがある。そのため、ユーザーが二次創作するという取り組みはこれまでとても考えにくかった。
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