第5回 マーケティング活動の効果測定――KPIの設定から測定/分析まで:【連載】オンラインとオフラインで考えるリードマネジメント(1/2 ページ)
マーケティング活動の効果を測定するには、まず、KPIを設定しなければならない。KPIは営業に対する「直接貢献」と「間接貢献」に分けて設定すること。「直接貢献」ばかりを追いかけているとリードは枯渇する。
第5回はマーケティング活動の効果測定についてです。話を始める前に、何を目的にマーケティングのKPIを測定するのか確認しておきたいと思います。主に次の3点を実現することが、マーケティング部門のミッションや目標となるはずです。
- マーケティングキャンペーンの最適化
- 見込み客創出の精度向上
- 製品/サービス戦略へのフィードバック
では具体的に測定方法について考えていきましょう。
2つの分析軸
KPIの基準はどのように設定し、測定/分析すればいいのでしょうか。それには、「ターゲット分析」と「行動分析」という2軸を設定し、これらを組み合わせて分析することが最適であると考えられます。
まず、「ターゲット分析」においては、自社にとって重要なリードの属性を抽出/設定し、指標化することが重要となります。多くの企業が、「企業規模(売上高/従業員数/事業所数など)」「業種」「所在地」などの属性データを指標として採用しています。これらの属性データは、東京商工リサーチや帝国データバンクなどの企業情報データベースを照会すれば入手できます。また、「部署」「職種」「役職」など、リードの個人属性なども重要な指標となります。
さらに、営業部門の業績データから自社の売上構成に占める優先度/重要度の高い顧客企業および担当者/決裁者の属性を抽出し、「スコアリングモデル」を作成します。
リードをこのスコアリングモデルに当てはめて分析することにより、エビデンスベースの評価を行うことが可能となります。また、これらの指標による評価により、自社の見込み客の業種バランスの偏りなどを可視化することができ、自社のタッチポイント分析にも役立てることができます。
次に「行動分析」についてですが、オフライン系とオンライン系の施策が効果を発揮する属性にはそれぞれ違いがあります。ITやソフトウェア、情報処理、通信などの業種の方にはオンライン系施策が、官公庁、金融、不動産といった業種の方にはオフライン系施策が効果を発揮しやすいという特徴があります。銀行などでは、行内でWebサイトの閲覧が禁じられている場合もあります。
このように、商習慣や企業/業界文化などで情報収集に活用するチャネルに偏向傾向が認められるため、自社にとって優先度の高いリードはどんな施策にどれだけ関心を示しているのかという行動履歴を分析し、「スコアリングモデル」に組み込んでおくことが重要です。
- 一般的なリードスコアモデル
- Demographic Score(Company)=企業属性による評価
- 企業規模
- 業種
- 戦略ターゲット
- Demographic Score(Person)=個人属性による評価
- 部署
- 職種
- 役職
- Behavior Score(BANT)=BANT情報による評価
- 決裁者レベル
- 導入検討時期
- 直近コンタクトからの経過時間
- Behavior Score(Web)=Web行動による評価
- メールクリック
- ランディングページアクセス
- フォーム登録
- 製品ページアクセス
- その他ページアクセス
- オンラインセミナー/デモ参照
- ページ滞在時間
- Behavior Score(Event)=イベント参加行動による評価
- 事前登録
- 来場
- 滞在時間
- 資料ダウンロード
- オンラインセミナー/デモ参照
- Demographic Score(Company)=企業属性による評価
リードの関心度は、「オフライン系」の場合、イベントやセミナーへの参加回数や滞在時間、展示やデモなど施策別の反応、アンケート回答内容などで測定/評価できます。
「オンライン系」の場合は、Webサイトへのアクセス回数やアクセスページ別滞在時間、ホワイトペーパーダウンロード、商品資料請求、見積もり請求などアクションにつながった施策のレベルなどで測定/評価できます。
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