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なぜ人は駅で買い物をするのか? 潜在意識を分析した仕事をしたら“移動者”が見えてきた(前編)(5/7 ページ)

何気なく歩いていて、ついつい買い物をしてしまった。こんな経験をしたことがある人も多いのでは。なぜ人は移動中に買い物をしてしまうのか。生活者の購買行動などを分析している「ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター」の担当者に話を聞いた。

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駅で買い物をする背景

土肥:駅で買い物をしている人が多いことが分かりました。でも、こんな声もあるのでは。「駅は立地がいい。だから利用されているのでは?」と。

中里:もちろんそういった部分もあります。立地がいいので、それだけ駅は選ばれやすい。その一方で、立地がいいがゆえに非合理な買い物をしてしまうことも多い。買うつもりはなかったのに、買ってしまった……。これを言い換えれば、“買わなくてもいいような買い物が駅では生まれやすい”ということですね。駅消費の特徴は、大きくわけてこの2つのパターンで成り立っています。

土肥:なるほど。合理的な買い物ばかりではないわけですね。

中里:駅で買い物をする背景には、何らかの心理が作用しているのではないか――。その潜在意識を探るために、ある調査を行いました。単純に「なぜ駅で買い物をするのですか?」と聞いても「便利だから」「通勤の途中にあるから」といった回答になるのは予想できますよね。それだと本質には迫れないと考え、私たちは生活者の深層心理を探ろうと試みました。

 まずインタビュールームに、約500点の写真を準備しました。例えば「街ではなく、駅のコンビニをするときは、どんな気分ですか?」という質問をして、その質問にピッタリくる写真を20点ほど選んでいただきました。写真にはジュースはなく、抽象的なモノばかり。自分の心理を投影した写真を選んでいただき、その写真についてインタビュー形式で話を聞きました。

土肥:その結果、どんなことが見えてきたのですか?

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