第3回 国内企業のNFC活用プロモーション最新事例:【連載】O2Oプロモーションの新たな潮流
第1回では、国内のO2Oプロモーション事情やNFCを活用したプロモーションとその効果を、また第2回ではNFCの基礎知識や海外でのNFCを活用したO2Oの最新展開について紹介した。当コラムの最終回となる今回は、今後日本でも普及が予想されるNFC対応スマートフォンを連携させた国内企業のO2Oの取り組みを紹介する。
気になる携帯電話キャリアのスマートフォンへのNFC対応であるが、iPhone5に関しては今回NFC搭載を見送ったが、Android勢は積極的に搭載を開始した。NTTドコモは、2012年冬モデルからNFC搭載スマートフォンを発売し、NFCを契機に拡がる非決済系サービスカテゴリ「かざしてリンク」を展開している。もはや社会的インフラといっても過言ではない「おサイフケータイ」が決済系のサービスだとすると、「かざしてリンク」は家電やスマートポスターなどにケータイをかざすだけで情報取得/交換/設定ができるもので、おサイフケータイに次ぐさらなる生活インフラへの進化を目指している。また、auはこの秋/冬の発表モデルのうち大部分のAndroidスマートフォンにNFCを搭載した。
NFC搭載スマートフォンを“かざして”何かの情報を取得するというサービスについて検討する際に、その利便性において、「対QRコード」というのが議論になってくることが多い。QRコードは、一般に屋外広告に掲載しても『スキャン』というひと手間が要因なのか、かんばしい誘導率として報告される例が少ないのだ。その利便性も含めて、トライアルを行う企業の取り組みが増えてきている。
では、国内企業のNFC対応スマートフォンを連携させたO2Oの取り組みを見ていこう。
最初に紹介する事例は、今後O2O分野においてNFCスマートポスターやリーダーライター機能の活用を検討する際の効果やイメージについて、非常に参考になる事例になるであろう。
屋外広告でのNFC対応交通広告で先陣を切ったのが、スマート家電を提唱するパナソニックだ。2012年10月に、JR山手線などでスマート家電のデビューキャンペーンの一環として、JR山手線のエキナカ、トレインジャックなどで、NEWDAYSの150円割引クーポンが抽選で当たるキャンペーンを実施した。
パナソニックによると、スマートフォンでのタッチを広告展開に取り込むことで、広告の印象度/話題性を高め、広く認知アップさせることはもちろん、商品親和性の高いスマートフォン利用者への理解促進、そして、先述のタッチ解析による広告効果検証を狙ったということだ。当キャンペーンの反響と所感は予想以上であったということで、認知度は、実施調査によると、通常の交通広告より高いポイントを獲得し、広く認知拡大に貢献したと見ている。さらにはタッチするだけで応募できる簡便さにより、通勤や通学などのちょっとした合間に応募が可能であることから、タッチ数も多く、深い商品理解につながったということだ。
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