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第2回 ビッグデータの本質は顧客の分析に他ならない【連載】ビッグデータという未来(1/2 ページ)

企業にとってのビッグデータの意味は、蓄積された顧客の購買/行動データを分析の対象とした「精度の高い分析」の実現性にあると言える。

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セグメントクーポン

 前回のコラム(ビッグデータという時代観)ではヴィジョナリな内容に終始したので今回は、企業にとっての努めて実際的なビッグデータ活用についてお話ししたいと思います。

 企業のビッグデータ活用の代表的な成功例として、しばしば取り上げられるものに日本マクドナルドの「かざすクーポン」があります。

 3000万人近い会員を擁するのでご存知の方も多いと思いますが 「かざすクーポン」は、マクドナルドの「トクするケータイサイト」から定期的に発行されるデジタルクーポンを会員のケータイやスマフォのアプリに取り込み、マクドナルド店舗のカウンターに設置されているリーダライターに端末をかざして使います。

 4年前までは、画像をダウンロードして店員に見せるだけの「見せるクーポン」でしたが、 見せるだけでは「誰が」使ったか特定できませんし、同じクーポンを何度でも使われてしまう欠点がありました。

 「かざすクーポン」なら、かざすことで取得したおさいふケータイのIDを「トクするケータイサイト」の会員と紐付けることで「誰が」使ったかを特定できます。利用者を特定できれば、会員登録時に入力した会員の属性が分かりますし、POSのデータと紐付ければ、購買履歴と関連付けることも可能になります。顧客の履歴(ビッグデータ)を分析し、 顧客の購買傾向のパターンを抽出することで1人ひとりに異なるクーポンを提供できるようになるのです。例えば、週末の昼にコーヒーを飲みに来る顧客には「週末朝のコーヒー無料クーポン」を、しばらく来店がない顧客に対しては、「以前利用していた商品のクーポン」を発行することで、顧客あたりの来店頻度を上げることができます。

 顧客をセグメンテーションし、各セグメントに最適化したコンテンツやクーポンにアレンジすることでクーポンの利用を最大化しているのです。子供のいない会社員やOLに「ハッピーセット」のクーポンを送っても興味を惹かないのは自明です。受け取った人にとって、「このクーポンは自分に向けられたもの」と感じさせることが顧客との絆を強めるために、何よりも大切なことなのです。


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