「メルマガ神話」を疑え:Webマーケティングを営業力に(1/2 ページ)
メールマガジンを配信すれば売り上げが上がると考えるのは早計だ。メールマガジンをこう送るべきだという「メルマガ神話」を信じてしまっていないだろうか?
株式会社ウィット
渥美 様
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
※このメールは当社と名刺交換させていただいたお客様にお送りさせて
いただいております。
配信を拒否したい場合は最下部の配信拒否フォームに投稿ください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
こんにちは。株式会社○○○○の鈴木です。
秋めいてきましたが体調はくずしていらっしゃらないでしょうか?
来週あたりから本格的に寒くなってくるようですのでご自愛ください。
さて、本日はセミナーのご案内です。
ぜひ渥美様にもご参加いただければと思いますので、ご検討下さい。
■─────────────────────────
│ <○月○日(金)16:00〜>
| 【東京・大阪 2拠点開催 無料セミナー】
| 〜成果のでるWebマーケティングセミナー〜
■─────────────────────────
私信を装ったこのようなメールマガジン(以下、「私信風メルマガ」と呼ぶ)に嫌気がさしたことはないだろうか。
これは迷惑メールやスパムメールの話ではない。よくある法人向け営業のメールマガジンのことだ。個人名あてに「秋めいてきました」などと時侯のあいさつをされても、わたしはその送信者を知らない。知らない人に「ご自愛ください」と体調を心配されても、恐縮するしかない。
「一度名刺交換した方に」という名の下に送られてくる私信風メルマガは、リードジェネレーションや顧客育成という名目で浸透し始めている。その企業と接点があるわたしは、名刺を交換した担当者に気をつかい、この手のメールマガジンをなかなか配信停止にできない。メールは貯まる一方で、結果的にその会社からのニュースを読まなくなり、「読まない用のフォルダ」に振り分けてしまう。
あなたも似たような経験はないだろうか? 自分自身がメールマガジンを読まなくなる経験を重ねるにつれて、法人営業におけるメールマガジンは岐路に立っているのではないかと感じるのだ。
私信風メルマガを圧倒する“私信メール”の効果
私信風メルマガで成功している企業も多いだけに、一概に「×」とはいえない。実際に、わたしがコンサルティングを手掛けている複数のB2B企業におけるメールマガジンのクリック率は、3〜5%だ。会員を5000人とした場合、150〜250人がクリックする。これは無視のできない規模だ。またメールマガジンがないと、セミナーの集客1つでも苦労する企業はいまだ多い。
しかし、最も効果が出る方法としては、実際に会ったことがあるクライアントに直接メールを送る「私信メール(“風”ではない)」に勝るものはない。
ある企業で私信メールのクリック率を調査したところ、50%を超えた。実にメールマガジンの10倍以上のレスポンスである。配信対象が5000人の場合、2500人がクリックする可能性がある。セミナーの集客を私信メールで実現している企業も実は多い。
メールマガジンの効果を落とす「思い込み」
私信風メルマガと私信メール。企業ドメインからクライアントに届くメールとしては同じなのに、「10倍のレスポンス」は圧倒的な差である。メールマガジンは必ずしも最も効果の出る方法ではない。しかし、メールマガジンを実施するとなると、どうしても担当者の頭の中に思い込みがあることが多い。どこかで聞いたことのあるB2Cのメールマガジンの鉄則が、Webマーケティング担当者に染みついているのだ。
メールマガジンに対する間違った思い込み(1)
- システムで送るのがメールマガジン
- 一括で送るのがメールマガジン
メールマガジンと聞いてこのようなことが頭に浮かぶなら、一度メールマガジンの意義を考え直してほしい。メール配信において最も効果が高いのは、私信メールだ。メールマガジンは、私信で送るべきメールの配信先が多岐にわたるため、それを効率化するためにでてきた手法であるはずだ。必ずしもシステムでメールを配信する必要はない。一括で送信する必要もない。個々に送る私信メールだってコンテンツが整えば立派なメールマガジンになり得る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.