効果測定を怠らないTwitterこそが勝ち残る:企業とTwitterの向き合い方(2/3 ページ)
企業がビジネスにTwitterを使う場合、正しい効果測定をすることは不可欠だ。成功を収めている企業から、効果測定の手法やその効果を学ぶ。
(2)Webサイト誘導の成功事例
yahoo_shopping
フォロワー数14万人を誇る「yahoo_shopping」は、日本最大級の商用アカウントだ。9月の統計では平均ツイート数は1日当たり平均30回で、そのうち個別対話が16回/日、Webサイトへの誘導を目的としたリンクを含むツイートは11回/日だ。顧客への対応や会話と宣伝の比率、リアルタイム性の高い話題の盛り込み方などでもお手本になるアカウントである。
Etsy
「Etsy」は、個人同士がハンドメイド商品を売買するオークションサイトのアカウントだ。フォロワーは100万人を超え、1日平均12回のツイート、個別対話が2回/日、リンクを含むサイト誘導は9回/日となっている。
特徴的なのは、自社サイトに出品されている「面白い作品」の情報を厳選してツイートしている点だ。ほかのオークションサイトのアカウントでは、対話と宣伝の比率を半々程度にして宣伝色を薄めようと努力しているが、扱う商品の価値をツイートに織り込むという戦略は、利用者にいやらしさを感じさせない点で秀逸だ。
Webサイト誘導・アカウントの効果測定方法
Webサイトへの誘導を目的としたアカウントの効果測定も容易にできる。具体的には以下の項目を算出すればいい。
投資:フォロワー獲得の広告宣伝費 + アカウント運用の人件費
効果:Twitterから自社サイトへの流入件数、コンバージョン件数
また利用者の行動がインターネット上で完結するため、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使うことで詳細な効果測定を行うことができる。
効果測定自体はシンプルだが、留意しておくべきポイントがある。それは、誘導した自社サイトには、Twitterだけでなく多様なTwitterクライアントからも利用者が流入してくることだ。日本ではTwitterの公式サイトからの流入は20〜30%程度であり、残りはリファラ情報が測定できないTwitterクライアントなどからの流入である。リファラ情報がないと、Twitterからの流入かどうかを識別できなくなってしまう。
対策には、「bit.ly」などの短縮URLサービスを利用することが挙がる。bit.lyを使ったURLのクリックはbit.lyサーバを必ず通過する仕組みとなっているため、URLごとのアクセス統計を把握できるからだ。
また、URLにパラメータをセットしておき、アクセス解析時にそれを識別するのも有効だ。ただし、自社アカウントからのツイートやリツーイト(転送)のみにしか対応できない。利用者が独自にTwitterクライアントからツイートしたURLは識別できないことを把握しておこう。
個人のツイートで相乗効果
Webサイトへの誘導で成功を収めている事例を見ると、個人売買サイトやEC(電子商取引)サイトに出品した利用者が、Twitterを使って独自に宣伝している場合が多い。この効果が極めて大きい点も見逃せない。
これはcompeteが発表した調査結果にも表れている。下の表は、Twitterを流入元とするアクセス分析で、特にEC関連のサイトの結果をピックアップしたものだ。Etsyをはじめ米eBayやCraigslist(掲示板ベースの個人売買サイトを展開)のWebサイトへの流入が非常に大きいことが分かる。この割合は、Twitterで成功を収めているDellをはるかに上回っており、個人によるツイートの効果が高いことを裏付けている。
著者のブログ記事「Twitterで一番得しているのはDellではない 〜 個人売買サイトとTwitterの蜜月関係」で、詳細を取り上げている。
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